智也と潤と明日香の日常4
試験前日の俺の家での勉強会。
時刻は18時。
「遊んでしまった。」
「そ、そうだね…。」
「まあでも楽しかったし!」
潤だけが相変わらずだった。
遊ぶことにも疲れてきた俺は言う。
「勉強しようか。」
「ああ。やるか。」
ぐぅーーー「あ。」
「…。明日香さん、お腹で返事しないでください。」
「何か食べに行くか!」
「え、ちょ、潤!」
「うん!行こう!」
俺たちはファミレスへ行った。
時刻は20時。
ファミレスでは他愛無い会話で盛り上がりここでも時間を使いすぎてしまったことに少し落胆してしまう。
会計を終え、ファミレスを出たところでつい独り言も出てしまう。
「明日大丈夫かなあ。」
「智也!そんなくよくよするなって!こんな時は心を落ち着かせるために川でも行こうぜ!」
「夜の河川敷!いいね!行こう行こう!」
「そうだな。行くか。」
ファミレスから俺の家までは歩いて10分程度。
そしてそのまま俺の家を通り越して5分ほど歩くと大きい川と、とても広い河川敷がある。
その河川敷では草野球やバーベキューをやっていたり、夜には落ち着いて話したい人なんかが来たりもする。
河川敷へ着いて川のすぐ横にある石段に3人腰かけ、また他愛無い会話が始まる。
本当に俺たちはいつも笑い声が絶えなかった。
「二人は将来どうなりたいとか考えてるか?」
何気ない会話の切れ間、珍しく潤が真面目な話題を始める。
「急だな。しかも潤がそんなこと言い始めるなんて。」
「うるせー!ちょっと気になっただけだよ!」
「うーん。私は特にこれだ!っていうのはまだ決まってないかなー。とりあえず大学卒業して就職して、好きな人と結婚して幸せな家庭を作れたらなとは思ってるよ!」
「あ、俺もそんな感じ。それで小説読んだり書いたりして平和に生きていけたらなって感じ。」
「お前ら、普通だな!」
「それじゃあ、その潤の普通じゃない将来の夢ってのを聞かせてくれよ。」
「俺はな!この3人、こうやってずっと、大人になってもいつまでも、くだらいことで笑い合ってることだ!」
「「おおーーー」」
「潤、カッコよすぎだ!」
「うんうん。潤くんカッコいい!」
「へへへ。あんまり褒めるなって!」
「じゃあずっと一緒にいるために明日の試験頑張るか!あと明日まで提出のレポートも忘れるなよ。」
「「え?」」
「え?」
何か変なことを言っただろうか。
何故か怪訝な顔をして潤と明日香がこちらを見ている。
「智也くん。レポートって何かあったっけ?」
どうやら潤と明日香は2人揃ってレポートのことを忘れていたようだった。
この後家に帰って全員で徹夜し、2人分のレポートを終わらせた。
次の日の試験はエナジードリンクを飲みながら何とか乗り切った。
試験の結果はABCの三段階評価の何とかギリギリのB評価だった。
何故か潤と明日香はA評価を貰っていたのは納得できなかった。