智也と潤と明日香の日常1
春の暖かさが心地よく全身を包み込む4月。
新入生歓迎会を無事に終え、入学から2週間程経った頃、大学の授業も本格的に始まってきた。
俺と潤と明日香は歓迎会での出会いから、3人で行動することが多くなっていた。
3人で授業の空き時間や昼食の時間、よく学食に集まって駄弁っていた。
今日、俺は一足先に学食に着いてカレーライスを食べていた。
カレーは手作り派の俺だったが、学食のカレーはそんな手作りのカレーの味に似ていた。
しかも他のメニューが500円ほどするのに対して、このカレーは何と280円で食べられるのだ。
「よう!今日は早いな!智也は今日もカレーか!」
カレーを食べるのに夢中になっていると、潤がやってきた。
「学食のカレーって美味しいんだよな。安いし。
潤こそ今日もラーメンかよ。」
「毎日同じものしか食べてないみたいな言い方するなよ!
智也と違って俺は毎日違うもの食べてるって!」
「じゃあ潤の持ってるそのどんぶりは何だよ?」
「これは担々麺だ!
ちなみに昨日は味噌ラーメンで一昨日は豚骨な!」
「結局毎日ラーメンじゃんか。」
「おはよー!また二人でイチャイチャしてるの?」
「よう明日香!だって智也が俺は毎日ラーメンしか食べないとか言うから!」
「まずイチャイチャしてないって否定してもらっていいかな?」
「相変わらず仲良いね。智也もおはよー!」
明日香は席に座りながら、ニッコリと挨拶する。
「ああ。おはよう明日香。」
歓迎会から一緒にいる機会も増え、明日香の笑顔にはまだドキドキすることも多いが、多少はまともに話せるようになってきた。
「…って明日香さん。それは何ですか?」
席に座った明日香のお盆の上を見てつい驚いてしまう。
「ん?これ?これはカレーとラーメンのセットだよ?」
「それどっちも普通サイズに見えるんだけど…。
それにそんなセットあったっけ?」
「え?普通サイズのカレーとラーメンを頼んだんだよ?
一緒に頼めば何だってセットになるんだよ!」
「そうですか…。」
以前からよく食べるなとは思ってはいたが、この量は…。
明日香は細身というか背が小さいながらにスタイルは良い方だ。
その小柄な身体のどこにそんなに食べ物が入るのだろうか…。