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明日香
「ここがDの20番のテーブルですか!?」
大人しそうな見た目とは裏腹に元気な声で女子が話しかけてきた。
俺は思わず面食らってしまう。
「そうだよ!君もこのテーブル?」
潤は物おじしない性格のようだ。
こういう時に気さくに話せることを羨んでしまう。
「うん!私もここだよ!
私は綾崎 明日香!よろしくね!」
「明日香ちゃんね!俺は川田潤。よろしく!」
「お、俺は山野智也です…。」
テンパってしまった俺を見て、綾崎明日香さんは一瞬不思議そうな顔をしたかと思うとニッコリと笑顔を向けてきた。
「…ッ!」
この子の顔を見るとつい照れくさくなってしまう。
気を紛らわせようと潤の方に目を向けるとニヤニヤとこちらを見てくる。
「みなさーん!ご入学おめでとうございまーす!!!」
司会の上級生の声がマイクを通して会場全体に届く。
「やっと始まるみたいだな。」
俺は胸の高鳴りと同時に安堵した。
これが明日香の出会いであった。