バス太郎釣りに目覚める
ガシャン、僕と隼斗は自転車をこいで近くの川に向かった。
太郎「はぁはぁはぁ...ねーまだーー?」
隼斗「もう少し」
外で運動しない太郎はもうすでに疲れていた。
隼斗「よし、ついたよー...ってめっちゃ離れてる...
太郎「はぁはぁはぁ...」
季節は夏、太郎は改めて夏の暑さを感じた。道路を走る車が僕の横すれすれを走っていく、ひやひやする。
僕はずっと冷房の効いた部屋でゲームをしていたので、外の空気がなぜか新鮮に感じる。
太郎「...坂だ」
僕は目の前にそびえたつ坂を見て苦笑いをした。
隼斗「おおーーーい!急げーーー!」
太郎「ごめーーん」
僕の横を通り過ぎる車の中からすごく視線を感じる。
太郎「はぁはぁはぁ...やっと着いたーーー」
隼斗「ここが今からやる川だよ」
太郎「うゎーーあ!すんげーー!」
太郎の目の前には大きな川が流れていた。僕は川釣りをしたことがないが一目見てあぁーここは釣れるわ
と思った。川の色はきれいなエメラルドグリーン、近くに水門があり護岸ブロックが置いてある。
川岸は整備されていて、とてもやりやすそうだと思った。
隼斗「今から降りるぞ」
僕たちは近くにある駐輪場に自転車を止めた。そして隼斗から針の結び方を教わり、投げ方も教わった。
針につけたルアーは、ソフトルアーというルアーでワームと呼ぶらしい。ワームの動かし方やどこに投げればいいかも教わった。
隼斗「...」
太郎「...」
太郎「なかなか釣れないね」
隼斗「もう少し」
釣れなくても川の流れる音、鳥のさえずり、ルアーを投げるときの音、全部太郎にとっては新鮮だった。
すると
太郎「ん?」
太郎「なんだろう?」
隼斗「どうした?」
隼斗「あぁー!竿たてて竿!」
太郎「あぁうん」
グイ...じりじりじりじり」
太郎「ごめん壊しちゃったかも」
隼斗「大丈夫、ドラグってやつが出てるだけだから」
隼斗「それより巻いて巻いて」
グリグリグリ、じりじりじり
プツン
太郎「...」
隼斗「...」
隼斗「ばれちゃったね」
太郎「ちっくしょーーー」
太郎「でも、魚ってあんなに走るんだね。めっちゃ引いた」
竿を立てた時、竿が持っていかれそうになったと同時にドラグが出た。
なぜか竿がグイグイとなった、あの動きは人の手では体感できないグイグイ感だった
隼斗「ああー惜しかったね」
これが、太郎の釣り日記の始まりであった