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Case1-3ドア目

おかしい。俺のイメージする幽霊はこんなのじゃない。

普通に電車に乗って、それもぞろぞろと。

「そらちゃん、はぐれないように手を繋ぎましょうか」「はぁい」

俺達の事が見えるのか時々こちらに視線を送ってくる人がいるが、明らかに戸惑っている。

それはそうだ。実際俺も戸惑っている。


(あ、この風景、懐かしいな…)

この景色を何度見ただろうか。見覚えのある風景に変わった。

(こんなに早く生身の身体と別れる事になるとは思わなかった。混み合っている電車の中でも実際には押しつぶされない事だけがある意味救いか)


「ーまぁ、ここが!」

「素敵なお家ですね」

「ほ〜」

(こいつら・・・それにしてもこうやって家に戻ってくるなんて思ってなかったな。正直なところ、どういう気持ちになっていいかもわからないな)

「ねぇ、入ろう?」

「あ、あぁ」

そらが俺の手を引いて、我に返った。


「おじゃましまーす」

「…どうぞ」

みんなでぞろぞろ歩いていく。

「ねぇ、お兄ちゃんのパパとママは?」

「あー、親父とはあんまり仲良くなかったんだよ」

「そうだぞー、坊主。ずーっと仲よくできるもんでもないからな。ま、それでも仲良かった時の事が消えるわけじゃない」

「ふーん、そういうもの?あっ、あの人?」


ドアの隙間から見るとリビングでサトシの両親が話している。


「あなた、もう半年ですね」

「あぁ…」

「何よりも犯人が捕まらないなんて、サトシが浮かばれないですよ」

「あいつのためを思って厳しくしてきたが、こんなことになるなら……あぁ…」

仏壇には新しいお茶がいれてあり、サトシの遺影と小さい頃のサトシがにこにこしている家族写真が飾られていた。


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