Case1-最初の依頼-2ドア目
「ーと、こういうわけなんだ。俺が成仏できないのは、誰に何故やられたのかもわからないからだと思う」
皆同じく痛みを経験したもの同士、というわけか、皆話は真剣に聞いていた。
「なんかあんた人に恨まれるようなことしたんじゃないか?」
ナオトは容赦ない。
「まさか!?」
「私に言えたことじゃないかもしれないけれど、あなた人当たり良くなさそうだものね」
「おいおい、何言うんだよ」
「だってぇ」
(この三人、俺に厳しくない...?俺の中でナオトとマダムとそらはちょっとやな奴にカテゴリーされた。)
「通り魔、じゃないですよね。。近くに野次馬があって、かつ女性じやなく男性を狙うなんて」
吉田が冷静な意見を述べたところで、
「財布とか何かとられなかったかね」
良爺も強盗の可能性を疑う。
「あー、覚えてねぇなあ」
「当時の持ち物はどこに?」
「多分、実家じゃないかな」
「じゃ、まずそこからだな!」
「どうやってお家まで行くの?」
「あんた、瞬間移動とかできねぇの」
「・・・誰が?」
ーそうなのだ。実は俺達が集まったのも、ここに理由がある。
新米幽霊の俺達は、何もできないのだ。いや、それどころか他の幽霊に威嚇される始末・・・偶然、あの洋館に集まった俺達はかくして協力することにしたのだった。