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恋色の蝶々 第1章  作者: 峰金良介
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2話Part1 春風希が入った女子ばかりのグループ

2話『運動会と2人の過去』

 2学期に入るとすぐ、運動会の練習が始まった。運動会という名前は小学校のイメージが強い。どうしても子供がやるイベントな気がしてならないのだ。僕が通っていた小学校は運動会だったが、中学校は体育祭だったからそれに慣れていたからかもしれない。


 小学校、中学校でついたイメージのせいで、運動会練習の期間も一回の時間も短いような気がしていたが、このほうが楽でいい。時間割の都合上午後に練習が入りやすいのだが、そんなに頻度は高くないし、何より練習が終わったらHRをやって下校だと考えるとずいぶん楽に感じていた。


 2学期に入って数日後、今日は朝から雨が降り続き、気分も乗らない中、午前中の授業に臨んでいた。

「はーるき!」

二時間目が終わった直後、水瀬さんが声をかけてくる。

「どうした?」

「次理科でしょ?一緒に行こうよ~」

「うん、いいよ」

最近はずっとこんな感じだ。移動教室は毎回水瀬さんと一緒にしている。初めはクラスメイトからとても注目を浴びていたが、毎回こうなのでいい加減もう気にしない人が多くなってきていた。

 荷物を持って教室を出ると、廊下には水瀬さんの友達らしき子がいた。

「お待たせ~!」

「あっ、美波~」

声をかけられてすぐ、水瀬さんは仲良しな女子のグループの中に入っていく。

 口々に雑談をしながら移動しているものの、その輪の中に僕はいない。しかし決してはぶられているわけではない。

「ねえ、春風希君なんか寂しそうなんだけど?」

「あっ、ごめん忘れてたわ……」

そう、忘れられていただけなのだ。てか話に夢中になりすぎだろ……

「まあ、いいけどさ」

楽しく過ごせているならこっちも文句はない。でも、呼んでおいてほおっておくのは正直どうかとは思うが。

「ほら春風希、今更だけどこっち来なよ~」

「ほいほい」

言われてやっと僕は話の輪に加わる。というか今更だが……

「このグループ女子しかいないやん……」

グループメンバーは女子しかいない。どうやら男子のメンバーは僕が初めてらしい。

「よかったね春風希!図らずもハーレム生活が始まることになりそうで」

「はあ……」

まあ今まで以上に楽しくなるのは間違いないだろうが……

「ねえねえ、あのアニメ見た~?」

「うん、見た見た~!」

「めっちゃ良かったよね~特に主人公があの声優だからね~!」

「それもいいけどこのアニメもいいよね~!」

という風に、ハーレムも何も、まだ僕にはアニメ以上の興味はないらしい。まあ、当たり前かな。


 雑談しながら歩いていたせいか理科室に着くころには授業が始まる数分前になっていた。各自席に着くと、すぐに授業が始まる。この休み時間中はあまりグループのこのことを知れなかったが、どうせそのうち知る機会はあるだろう。自分がこんなグループに所属できるなんて思っていなかったし、今までそんなにしてこなかったので、まだ勝手が分からないが、そこも含めてこれから知っていけたらいいな、とそう思った。


[2話Part2に続く]

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