30代警備員の場合 その2
後輩を送り出し歩いて15分ほどの役所に歩いて向かうと
役所の前には同じ事情と思える異種族変異
した様々な容姿の者数名が並んでいた。
程なく役所が開き案内係のお姉さんが
「異種族登録の方カウンターで用紙に記入して
番号札をとり15番窓口までお越しください。」
とアナウンス。
カウンターに置いてある用紙に記入をして番号札を取り
待つこと10分
「番号札8番の方か15窓口までお越しください。」
ようやくかと思い窓口まで行くと年齢50代位と
思われる黒縁メガネのザ・お役所の人が座って
「どうぞお座りください。では、用紙をいただいて
よろしいですか?ありがとうございます。
えーお名前は吉田 拓三さんですね。
2187年生まれの5月生まれ、変異されたのは、、、
その格好だと今朝にかけてですね。」
「はい、そうなんです。起きたら何が何だか、さっぱりで、、、」
「あー、よくあることですね。落ちつてください、
私異種族登録課になって長いんです。
体の大きな種族に変異されると戸惑いますよね。
あ私、山田と申します。
配属されて15年なので大体の事はご対応可能だと思います。
えーと、とりあえず服がいりますね。
道向かいの異種族専門衣料店がおるので引き換え券を
お渡ししますので、服を来てください。
その間に変異前のあなたの情報を用紙から
pcに入力しておきますので。
それが終わったら2階に上がって身体測定をしてください。」
「ありがとうございます。」
「では、お気をつけて。」
渡された衣料引換券をもち信号を渡って衣料店に向かう
異種族変異がおきるようになり変異者は
まず役所に届け出をしなければならない、それが法律。
そんなこともあり役所周辺には異種族対応用のお店などが
充実していることが多い、隣は不動産屋かなと
思いながら店に入ると
「いらっしゃいませ、変異者の方ですね
。オークですか大きいですね。
体の大きい方用は店の奥になりますので、こちらへどうぞ。」
案内され奥に入るとXが何個つくのかと思う大きな服がズラリと並んでいた。
「あのー半袖が多いのはナゼなんです?」
「えーと、体の大きい種族に変異された方は体温が上がり
体感温度も高くなるので冬でも半袖がいいってお客様が多くて。
それにお客様はオークですし体毛もかなり濃くなっておりますし。
身軽な服装をお勧めしております。」
なるほどと思い服を選んでいると
「おはようございます。いやいやいや、オークですか、んー素晴らしい」
とスーツ姿のギョロリとした目をした男が声をかけて来た。
「どちら様でしょうか?」
「いやいや、お気になさらず。店員さんが来られましたよ。」
振り返ると店員が入りそうな服を持ってこちらに来ていた。
慌てて服を見ていると
「では、後ほど。」
行ってしまった。
なんだったのだろうかと思いながら、試着室でそのまま着替え
店員に引換券を渡すと
「この後は身体測定ですね。
役所の玄関を入って右の階段を上がった奥になるので
気をつけて行ってらっしゃいませ。」
続く