30代警備員の場合 その1
異変に気付いたのは深夜2時をすぎたころだ、
無性に喉が渇き全身が熱く身動きが取れない。
インフルエンザにでもかかったのだろうかと思ったが
動くことも出来ず朝まで我慢するしかなかった。
目がさめるとベッドがきしみ手足を折りたたんで寝ていた。
一人暮らしの8畳のワンルームがいつもより狭く感じ
立ち上がると天井で頭を打ってしまった。
もしやと思い洗面所の鏡を見ると身長2メートルを超える
猪によく似た顔の大男が鏡に映っていた。
ついに私にも異種族変異が来た!
ふと時計を見るとAM7:00
会社に行かなければならないが入る服が無い、仕方なく
会社に電話すると
「吉田さん おめでとうございます。
そういうことでしたら本日は、お休みにしておきます。
服は会社から誰か持って行かせますので
役所で種族登録して来たください」
と事務の女の子に言われてしまった。
一時間半ほど経った頃インターホンがなり
近所に住む会社の20代の後輩が
「おはようございます。ってデカ!
吉田先輩オークになったんですね。
会社から電話があって慌ててドン◯に行って
フリーサイズの服買って来たんですけど、これ
入りますかね?」
「ありがとう田中、なんとかズボンだけでも
入れば専門店に行ってなんとかするよ。
それよりオークとは参ったね。
服も全部買い替えないといけないし
俺まだ独身なのにオークって結婚できんのかよ。」
「いやいや変異者フェチが各種族別にいるらしいっすから。
今よりモテるんじゃないですか?
給料も今より上がるでしょうし。俺も早く異種族変異したいなー」
「そうらしいな、田中が来るまで携帯で調べたよ」
オーク、身長190〜220センチメートル、体重130〜200キログラム
猪に似た顔を持ち嗅覚が鋭く力も強い
大きな体躯を活かしガードマンやラグビー選手
などで活躍するものが多い。
また繁殖力が旺盛で一部の女性に熱狂的ファンがおり
一部アダルトビデをの俳優として活躍しているものもいる。
尚これまでに男性しかオークに変異したものは確認されていない。
出典:ウィキペディ◯より
「先輩それよりも、もうすぐ10時ですよ。役所に先に行った方が良くないですか?」
「おっそんな時間か、やっぱり上着は入らなかったけどとりあえず行ってくるわ。」