死ぬ夢の意味を、知っていますか?
今回の登場人物
叶屋未来…最初に喋る人。占いサークル部員。
紀沙紀…次に喋る人。F研究会部員。他、いくつかのサークルの幽霊部員。
「死ぬ夢の意味を、知っていますか?」
「死ぬ?夢の中で?」
「さようです」
「夢の中で死ぬってあんま無くない?」
「夢の中で死ぬことは吉夢です」
「そうなの?」
「そうなのです。死ぬこととはつまり生まれ変わりを意味します。新しい自分に生まれ変わるのです」
「何か宗教の勧誘みたいね」
「そういった夢は、最近ご覧になったことがありますか?」
「最近?そういった夢は…ああ!」
「どうされました?」
「死にそうな夢あったわ」
「どういったものでしょう?」
「え~と、8話と9話参照して」
「猿夢ですねわかります」
「メタ要素入れると説明早いよね」
「結論から申し上げますと、『猿夢』自体は然程悪い夢ではありません」
「そうなの?」
「先ほども申し上げました通り、『殺される』ということは『生まれ変わる』ということ。
それは他人でも意味合いが同じです。夢の中で、自分の知らない他人はあなたを映す鏡。同一です」
「そうなの?でも確か死んではいなかったような…」
「死んでいなかった場合、変わろうとしても変われない自分を意味します。理由は様々ですが…」
「へえ」
「そう考えると『猿夢』をご覧になったという方は思春期や反抗期の時期に『今までの自分から変わりたい』
と思いつつも変われない自分のジレンマが夢の中に表出してきたのではないでしょうか?
明らかに10代のころに見た夢という感じでございますし」
「なるほど…一つ聞ーて良い?」
「何でございましょう?」
「なんというか…そこまでガッツリ敬語使ってたっけ?」
「私のキャラ付けでございます」
「大変だねえ」
次回予告…
「落ちる夢の意味を、知っていますか?」
「テキサス州南部にあるっていう…」
「もしかしてヒューストンですか?それがどうかしました?」