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曖昧な記憶の、その隣で  作者: はる乃


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第一話 未来への希望

雨上がりのアスファルトは、

夜の街灯をぼんやりと滲ませていた。


未来はスマートフォンを耳に当てたまま、

小さく頭を下げる。


「はい。本日はありがとうございました。

今後とも、よろしくお願いいたします」


通話が切れた瞬間、

張り詰めていた肩の力がふっと抜けた。


時計を見る。


時刻は午後九時を回っていた。


「……終わったぁ……」


思わず漏れた声に、

未来は自分で苦笑した。


半年かけて準備してきた大型案件。


今日の商談は、

その最終プレゼンだった。


資料作成。


先方との調整。


追加提案。


何度も徹夜を重ね、

ようやくここまでたどり着いた。


すべては――


社長であり、

恋人でもある真二のため。


ふと、

半年前に交わした約束が脳裏をよぎる。


『この案件が取れて、会社が軌道に乗ったら……俺たち、結婚しよう』


あの言葉を思い出すだけで、

疲れ切った体にも力が湧いてくる。


ガラスに映った自分の姿に、思わず足を止めた。


まとめただけの髪。

化粧も落ちかけた顔。

目の下には、うっすらと隈が浮かんでいる。


「……ひどい顔」


思わず苦笑する。


二十四歳とは思えないほど、疲れ切った顔をしていた。


でも、今日で終わる。


この案件が終われば、

真二との約束が待っている。


「今、終わって帰るところか?」


聞き慣れた低い声。


改札前の柱にもたれかかる男に、

未来は目を丸くした。


「黒沼先輩!?」


黒いコート姿の黒沼彬が、

腕を組んだままこちらを見ている。


「こんな所でどうされたんですか?」


この先、どの様な展開が待っているのか楽しみにブクマして貰えると嬉しいです!

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