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  作者: 佐倉千波矢
7/17

ボーイズ・ライフ

ひとつ歳をとるごとに

少しづつ大切なものを失くしてきた

それは

小瓶につめた砂や

ポケットのビー玉

ガラスのかけらに

何処のかわからなくなった鍵

原っぱに寝転んでみた空

淡い木漏れ日


すべてがきらきらと輝いていた頃

砂は砂金だったし

ビー玉は宝石だった

ガラス片は星のかけらで

鍵は秘密の扉を開けることができた

自然はいつでも優しく語りかけてくれた


だけど僕はそんなものたちを

一本の白い道を駆けている最中(さなか)

この手から落としてしまった


代わりに

バスケや野球

音楽や映画

友人たちとのたわいない話

僕の横で微笑む長い髪の少女

そういったものに

いつしか心を奪われていった

毎日が賑やかで愉快で

慌ただしく過ぎていき

いまだに僕は走り続けている


それでも時折

ふと立ち止まり

振り返ると

僕の走ってきた道のずっと遠くの方に

子供の頃の宝物があって

きらきら輝いているのが見える


そして僕はひどくせつなくなる

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