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彼氏に幻滅した日

作者: うずらの卵。

私は高校二年の利佳子。

学校帰りに一人で歩いていた時、

突然ヤンキー系の三人組の男達が声を掛けて来たのだ。

「ねぇねぇ、彼女可愛いね、お茶しない?」

私は「急いでるので」と言いそのまま帰ろうとすると「いいじゃん、少し付き合ってよ」としつこく付き纏って来たのだ。

私が困っていると、そこに現れたのが体格の良くいかつい顔の男だった。

その男は「彼女嫌がってるじゃん、何してんの?」と言いながらヤンキー達と私の間に入って来た。

ヤンキー達は男の体格を見て勝ち目はないと思ったのか、そそくさと立ち去った。

「助かりました、有難う御座います」と私が言うと、その男は「もう、暗いし危ないから送るよ」と言ってくれた。

そして「あっ、俺の方が怖いかな」と鼻を掻きながら言うので、その仕草が可愛くて「迷惑でなければ家の近くまお願いします」と私は言った。

連絡先を交換して彼と付き合うまでに時間は掛からなかった。

彼の名前は孝志、大学で格闘技をやっていて大会にも良く出るとの事。見た目が怖い感じなので彼女が中々出来ないのが悩みだったとか。

そして、付き合い始めて1ヶ月が経った頃、初めて遊園地デートをする事になった。

私はお洒落をして可愛さアピール全開で挑んだ。

二人で遊園地に入り、まずはコーヒーカップに乗りグルグル回り楽しんだ。

そして、ジェットコースターは私は苦手だったけど、彼が隣に居たので安心して乗れた。

色々乗って夕日が遊園地を赤く照らし始めた頃、カップル定番の観覧車に乗り込んだ。

赤く染まった観覧車の中で私達は見つめ会い、

雰囲気に流されて初めてのキス。

もう、テンションは最高潮だ。

そして、観覧車を降りた時には恥ずかし過ぎて彼の顔を見る事が出来なかった。

そして、閉園までにもう少し時間が有り、

このまま帰りにたくなくて最後にお化け屋敷に入る事にした。

私はお化け屋敷が大好きだったけど、

可愛さアピールしたくて、「私お化け苦手なの」と言った。すると彼は「俺がずっとこの先も守るから」と心強い事を言ってくれた。

そして、手を繋いでお化け屋敷に入ると、何か繋いだ彼の手が震えていた。

そして、井戸からお岩さんが出て来た途端信じられない事が起きたのだ。

「ぎゃー怖いー」と彼が叫び出し、私の手を振り払い駆け出したのだ。

私はその衝撃で後ろに尻餅をついてしまった。

しかし、彼はお構い無しに出口に向かって走り姿が見えなくなってしまった。

私はお尻を擦りながら起き上がったけど、

あまりのショックにその場から動けなくなってしまった。

すると、先の方から「ぎゃー怖いよーママー」と彼の声が聞こえて来たのだ。私は出口に向かって一人で歩き出した。

回りのお化けなんか目に入らず、黙々と歩いて出口から出ると、彼がしゃがんで泣いていた。

「ママーママー」と言いながら。

私は彼に声を掛けずそのまま遊園地を後にした。

暫くは男性不信に陥った事は言うまでもない。



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