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第7話 戦地

 魔法学校からの援軍は、トライアド単位で現地入りすることになった。

 リドール率いるトライアドは、前線左舷の、比較的戦況の安定している区画に配置された。



 「まずは魔物との実戦に慣れることだ」



 戦地に到着した際、セシウス魔法師団長から受けたアドバイスだ。

 また、魔王軍ついての簡単なレクチャーも授けてくれた。



 人型の、高い知性を備えた支配種を、魔族と呼ぶこと。

 魔族は、人類の言語を理解し、高度な魔法も操ること。

 魔族は、知性の劣る下位種である魔物を使役すること。



 今回の先遣隊は、ひとりの魔族の指揮官が、複数の魔物を従えて侵入したものと推測されていた。



 リドールたちが任された区画には、ハイウルフと呼ばれる、オオカミから進化した魔物の群れが侵入していた。



 ◇◆◇◆



「スキャニング《探知魔法》に反応があるな」

「右側の茂みに1体、たぶんハイウルフね」

「俺が茂みを刈って、追い立てる。マリーは、出てきたやつを追撃してくれ。ラフィトは、後衛からバリア《防御魔法》での支援を頼む」

「オーケー」

「り、了解です」



「行くぞ!」



 リドールは、ウィンドミル《風刃魔法》で茂みを薙ぎ払った。

 


「ガルルゥ〜!!」


 

 ハイウルフが飛び出してきた。

 通常のオオカミの、3倍はありそうな巨体だ。



 マリアーナは、サンダボルト《雷撃魔法》を放った。

 ハイウルフは頭上から、直撃を受けた。

 


「グオン!」



「やったか?」

「いや、まだだよ!」



 ハイウルフは、マリアーナめがけて突進してきた。

 ラフィトは、バリア《防御魔法》を展開した。



 防御壁に激突し後退したハイウルフは、体勢を立て直すと、間髪入れず、今度は後衛のラフィトに飛びかかった。



――バリア《防御魔法》の展開が間に合わない!



 ラフィトは、咄嗟に頭を腕で守った。

 ハイウルフの前足で、強烈な殴打をくらったラフィトは、数mも飛ばされて、岩に体を強打した。



「ラフィト!」



――くぅ……まずい、意識が……。



 ハイウルフは、さらにラフィトに追い討ちをかけて、襲いかかった。



――やられる!



「アーススフィア《土槍魔法》!!」



 ラフィトの目の前で、ハイウルフが地面から伸びた土の槍に貫かれた。

 


「グフゥ!」



 ハイウルフは、身動きができなくなり、息絶えた。

 

 

「大丈夫か、ラフィト!?」



 リドールが走り寄ってきた。



「アーススフィア《土槍魔法》の展開に手間取ってしまった。すまない」



 ◇◆◇◆



 幸いラフィトは、マリアーナのヒーリング《治癒魔法》で回復できる程度の軽傷で済んだ。

 しかし、初めての魔物との遭遇で、3人とも疲れ切って野営地に戻ってきた。



「ラフィトは寝たか?」

「うん。かなり疲れたみたい」

「魔物1匹が、あれほどの強さだとはな」

「3人がかりで、ようやく勝てた感じだったね」

「もっと実戦経験を積む必要があるな」

「だね。でも、これがリアルな戦地なんだよ」

次回予告:第8話 急襲


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