表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/35

第33話 龍神降臨

「……で、何千年前だかのリベンジがしたくて、わざわざ復活してきたのか?」



 リドールが、よろめきながら言った。



「……まあ、そういうことだ。よもや、我以外の古代神の力が残っていようとは、思ってもおらんかったがな」



 リドールとマリアーナは、互いに支え合いながら、まだ立ち上がれずにいるラフィトの所に、何とか合流した。



「さて、予想外のことはあったが、そろそろ幕を引くとしようか。貴様らに、もはや力は残っておるまい」



「ラフィト……立てそうか?」

「……難しそうです。足を……やられてしまいました」



「マリーは……?」

「どうかな……。精霊魔法は、あと1回くらいなら何とか。杖でぶん殴る、もいけるよ。なんだか、砕けない杖らしいし」

「はは……。確かに、シンプルにぶん殴る、もありだな」

「でしょ」

「最後まで足掻いてみるか!」



 ふたりの会話を黙って聞いていたラフィトは、微笑み、小さな声で詠唱を始めた。



「……ん? 何か言った? ラフィト」

「皆さん、お元気で」

「え?!」

「ブルク《龍神の城壁》」



 幾重にも重なる光の防壁が、リドールとマリアーナを囲った。



「……おい! ラフィト! 何だ、これは!?」



「龍神魔法、最強の防御魔法です。古代神でも、容易には破れないでしょう」



「ち、ちょっと、ラフィト! 出してよ! あいつぶん殴りに……」

「すみません。その術式は、一度発動すれば丸一日解除できません。例え術者がいなくとも、継続する魔法です」



「術者がいなくてもって……ラフィト! あなた一体何を……」



「リドールさん、マリアーナさん。ぼく、おふたりと出会えて、本当によかったです」

「え!?」



――父さん、約束守れなくてごめん……



 ラフィトは、首飾りの指輪を引きちぎり、指にはめて、拳を天に突き上げた。



「降臨したまえ!! 龍神……アレス!!!!!」



 ◇◆◇◆



 空に雨雲が立ち始めたかと思うと、大きな渦となり一面を覆った。

 雷鳴が轟き、暴風雨となった。



「き、貴様……! 一体、何を……!?」

 


 嵐が去ると、一転静寂に包まれた。



 頭上の分厚い雲にできた一片の切れ間から、神々しい光が差し込んだ。



「……ま、まさか……天界の扉を開けおったのか……?」



 刹那、稲光りと共に、雷がラフィトを直撃した。



「ラフィトーーー!!!」



 見るとそこには、光煌めく大柄な男がひとり、立っていた。

 両眼と額には、五芒星が輝いていた。

 頭に2本の角があり、背中には一対の翼があった。



「……顕現しおったか……」



 魔神デルムが、驚愕の表情で言った。



「龍神……アレス!!!」

次回予告:第34話 決着


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 お読みいただき、ありがとうございます!


 もしよろしければ、この下にある評価欄にもご協力いただけると、とても励みになります!


 ブックマークもいただけると、嬉しいです!


 今後とも、よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ