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毒親人生 島流し  作者: 絶許毒親
1/1

島流し編


中3

22:00

正座させられ

眼の前のソファには座る父親。


「あらた、日本語の通じないところに行く気はないか?」

 (何言ってんだコイツ、行きたいって言うやついるのか?)

「それが日本なら行ってもいいよ」

「フィリピンだ」

「じゃー、なしだ。日本ならって言ったろ」


「お前はこのままじゃ、まともにならない」

「周りの悪いやつと縁を切らないといけない」


夜だ、眠い。

ダラダラ話され何を言われたか覚えてない。

足の痺れと、眠気だけ、よく覚えてる。

そして、オレの話は一切聞かなかったことだけ。

深夜3時まで5時間も正座させられれば

言われたとおりにするしかなかった。

言われたことが正しいと思わされる

教育をされていた。



なぜ、フィリピンだったか

父親の友達(男性)の奥さんがフィリピン人(フィリ子と呼ぶ)

その姉の家にホームステイで

島流しされたわけだ。

ついでに、父親は子供の誕生日は

祝わないくせに

友達家族の子供の誕生日は祝う。

フィリ子と二人でコストコへ買い物へ行き

奢る。

つまり、このフィリピン人に良いように金を使わされてる

と思われる。

フィリピンに行った際も、いろいろな名目で

お金を払っていたようだ。

世話賃、メイド代、給湯器代、食費

なんの役にも立たないフィリ子の渡航代。

フィリピンに来たフィリ子は

毎回

友人数名と数時間酒を飲んで談笑してる姿しか

俺は見ていない。

おそらく、遊び歩いていた時間もあったろう

人の金で。


そして、俺の島流し生活は始まったわけだが。

ホームステイ先で決められたルールがある

1.学校と家以外行ってはいけない。(月1ホームステイ先の許可があれば可、ただし交渉の余地なし)

2.自由に使える金銭は1日150円(当時の為替)

3.日本語は禁止、主に小説を読むこと。


大したルールじゃない。

別に国を離れて寂しいこともない。

ただ、とてつもないストレスだった。


そして、楽しい思い出を作ることは出来なかった。

嫌な話なら多々ある。


新学期

学校へ行き始める。

まー、日本人だ。

留学のような形だが学校は通常の学校だ。

留学用じゃない。

日本人はオレだけだ。

まー、目立つ。

嫌でも目立つ。

物珍しいと近づいてきたり

なに目立ってんだよと喧嘩売られたり

日本に行きたいからか逆ナンされたり

落ち着いた生活は送れない。


登校初日

それまでに三ヶ月間

日本語の喋れない家庭教師に

電子辞書を使用しながら英語で教えてもらった

英語で挨拶する。

意味がわからん、英語で教えてもらった英語ってなんだ。。。

クラスメイトは、物珍しそうな目で見てくる。

特に気にしない。

休み時間、囲まれる。

まー、転校生ならよくある。

ただ、どこに行っても囲まれる。

疲れる。


一人になると

絡まれる。

そして、悪い意味で囲まれる。

これには困った。

同じアジア人でも

まるで体の作りが違う。

肉体的には勝てる気がしない。

幸い、日々知人を増やし

守られる状況を作り

元々習っていた空手を使い

リーダー格を潰すことで

事なきを得ながら

無事過ごすことができた。


ただ、身体は正直で

一年の学校と家だけの往復

異国の生活

食生活

言葉の通じない状況

あらゆるストレスにより

胃潰瘍を患う。

当時16歳。

激痛に眠れぬ日々を過ごす。

そして、帰国することとなる。

父に言われたのは

根性なしが。





幼稚園時代


暗い部屋、一寸先も見えないところに

閉じ込められ。

何を悪いことをしたんだろう。

思い出せない。

暗い部屋に閉じ込められたことだけは

覚えてる。

泣いて謝るまで出してもらえなかった。


いや、泣いて謝っても

親の気がすむまで許してもらえなかった。

そんなときは、毎回母親がいなかった。


暗い部屋に閉じ込められたことが

何度もある。

今では、暗い部屋なんて何にも怖くないけれど

当時はとても怖かった。

トイレも行かせてもらえず

オムツを渡され

どこにそれがあるかも見えない

真っ暗で。

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