表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

試験と学習についての考察

重点的に学習するとしたらどれ?

作者: 鶴舞麟太郎

 これは私の実体験を元にした考察です。実際に学校で行われている指導とは異なる可能性もあります。参考程度に考えてください。また、時節柄、今年の受験に間に合わすのには、相当苦しいと思います。受験を控えている人。悪いことは言いません。こんな物は読まずに、今、行っている学習を継続してください。いいですね。読んではいけませんよ。

 こんにちは、鶴舞です。この前『国語定期テスト得点アップ術』なんてエッセイを、偉そうにも、投稿いたしましたが、実は、私、自分自身が国語のテストで困ったことって、ほとんどありません。


 私個人にとっての中・高時代の国語(※現国)は、『勉強しても結果が現れにくい、勉強しがいのない教科』でしかありませんでした。


 ただ、前述のエッセイで触れたようなポイントで、引っかかっていることは多々ありましたので、「国語って、どうやっても満点が取れないな」とは、中学校時代から思っておりました。が、だからといって「どうにかしよう」と、思ったことはなかったのです。


 そんな中で、消防団の先輩から話を聞き、「そうか! そんな裏があったのか!」と驚きまして、「もしかしたら困っている人がいるのでは?」と、思いついたのが、くだんのエッセイを投稿したきっかけです。



 そして、投稿後、ある方から「英語や数学も、結構引っかけ問題出ていたよ」という趣旨の感想をいただきました。



 この感想を頂戴したとき、まず最初に思ったのは、


「はて? 英語や数学で、そんなに引っかけ問題出てたっけ?」ということでした。


 私自身の経験を思い返すに、英語や数学で意地悪な問題に引っかかって、身もだえしたような経験はありません(※国語は「やられた!」と思った記憶が幾つか残っています)。


 そのため、改めて、自分の中学・高校時代を思い返してみたところ、ある事実に気が付きました。




 具体的なお話をする前に、まずは、中・高時代の私の成績の概要を、お知らせします。

 ちなみに、私は中学は地元の公立でした。高校は理系の学科に進学し、大学の専攻は国語・国文学です。

※突っ込み所が多いのは、重々主知の上です。とりあえずスルーしてくださいw



◎中学時代 定期テストの得点(概要)

 国語:90 社会:95 数学:90 理科:90 英語:80


 私は中学校では、それなりに良い成績でした。で、国語は教科特性上、引っかけ問題が多数出ていましたが、他の教科では、あんまり見た記憶がありません。

 これはきっと、引っかけ問題を出しすぎると、平均点がひどいことになるので、先生方が遠慮していたのではないかと思います。




◎高校時代 模試の偏差値(概要 ※河合塾・代ゼミレベルを想定)

 国語:70 世界史:80 数Ⅰ:40 生物:65 英語:35


 英・数は、引っかけ問題云々を語る以前の段階にいたのが、わかると思います。

 偏差値40以下なんて、普通の問題を解くのさえ四苦八苦しているレベルですから、引っかけ問題を認識するどころではありません。



 こんな状況でしたので、「英語や数学も、結構引っかけ問題出ていたよ」という意見がピンとこなかったのでしょう。






 ということで、今回のタイトル『重点的に学習するとしたらどれ?』に入っていきます。


 私の個人的な意見としては、一言で言えば以下の通りです。


「国語なんか勉強してる暇があったら、まず、英語と数学勉強しろ!」



 これを見て「おいおい、『国語定期テスト得点アップ術』なんてエッセイ出しておいてそれはないだろ!」と思われた方もいるのではないでしょうか。


 すみません。これに関しては謝ることしか出来ません。国語関係の話題に先に気付いてしまったのと、国語で満点が取れなかった記憶から生み出されたエッセイということで、許してください。ごめんなさい。



 なお、英語と数学を勉強した方が良いと思うのは、自分が苦労したっていうだけが理由ではありません。一番大きな理由は、この2教科が、特に積み重ねを必要とする教科だからです。


 これらの教科は、特に、わからないところを放置していたら、その上が積み上がりません。ですから、理解できていないところをしっかりと潰していく学習が求められます。しかも、他教科よりも時数が多いので、授業の進行も速いというおまけつき。サボっていると私のようにすぐに落ちこぼれてしまいますし、挽回も大変です。


 国語も時数は多いです。が、日常の言語活動によって、それなりの積み重ねは出来ます。文章を読むスピードが遅いと辛いですが、その点さえ気を付けてやれば、ひどい点数を取ることは、あまりないでしょう(※古典や漢字等は別です)。


 だから、日常でまず重視すべき学習は、英語と数学だろうと、私は考えるのです。




 ただし、状況によって、優先すべきものは変わります。理系と文系の違いなど、学科や受験科目によっても違いが出てくるのは当然として、時期や成績状況によっても優先度が変わってきます。


 例えば、受験の時期が迫っているとき、数学と英語の学習量を増やすのは、一般的にあまり効果的とは言えないようです。



 知り合いの中学校の先生から聞いたのですが、勉強を始めて、結果が出る(※実力が付く)のは、


「国語:6か月、英語・数学:3か月、理科:1か月、社会:勉強を始めたその日から」


だそうです。これはあくまで目安で、


「もっと早く結果を出せる人もいるし、時間がかかる人もいる。教科についても分野によっては当てはまらないところもあって、国語だって漢字等は、すぐに結果が出る」


とも言っていました。



 つまり、受験直前には、理科や社会に重点を置いた方が、効果が高いのではないかと考えられます。



 一応注意しておきますが、これは一般論です。そして、何よりも気を付けていただきたいのは、「英語や数学を学習するのを止めろ」とか、「直前に学習しても力が付かない」と言っているのではないということです。


 スポーツでトレーニングをしなければ、体がなまってしまうように、学習だって、何もしなかったら、力は落ちてしまいます。少なくても、頭が鈍らないだけの学習は必要です。そもそも成長速度だって個人差があります。学習したらすぐに成果として実力を発揮できる人も、中にはいるかもしれません。ですから、その人に合わせた学習方法は考える必要があるのです。





 次に、その人の得点レベルと、重点を置くべき教科の関係です。あまりこういう言い方は望ましくないのはわかっていますが、他に良い言い方も思いつかないので、御容赦ください。





 まず、まんべんなく得点を取れない人です。おそらくこのタイプの方は、わからないところが多すぎて、どこから手をつけて良いかわからないのではないでしょうか。中には、学習自体に絶望している人もいると思います。


 そんな方は、発想を変えると良いです。


「どこから手をつけて良いかわからない」のではなく、

「どこからでも手をつけられる」のです。


「得点が低い」のではなく、

「伸びしろが大きい」のです。



 そして、こういった方は、もし、好きな教科があるならば、それを伸ばすのが一番です。

 当たり前ですが、人間、興味がないものより、興味のある物の方が、覚えが速いので、学習も効率的に進められます。


 そして、好きな教科が特にないなら、理科(※物理以外)や社会をお勧めします。

 これらの教科は、覚えたことをそのまま生かせる部分が他教科よりも多いため、成果が見えるのが速いのです。比較的スムーズに成果が発現するため、モチベーションを上げるのには、もってこいと言って良いでしょう。


 それに対して、積み重ねが足りない状態からの数学や英語の学習は、沼を埋め立てているようなもので、入れた土砂(行った学習)の分だけ、沼は埋まっ(学力はつい)ているはずなのですが、泥水(未習部分)に遮られてその成果は、見えにくいものになります。これでは、結果として、学習を諦めてしまうことになりかねません。


 そういった理由で、「数学や英語にとても興味がある」とか、「自分が強い意志を持って行動できる人間である」と自信をもって語れる人以外は、避けた方が良いかもしれません。


 そして、取組の結果、ある程度、成績が上がったら、自信も付いてきていることでしょう。その後は少しずつ、他教科に手を広げていけば、ある程度の成績アップは望めると思います。


 ただし、中位以上に食い込むには、相当な努力が必要です。なぜなら、他人も同時に勉強を進めているからです。勉強をしていない集団の中では抜け出せても、その上に行くには、人並み以上の努力が必要であることは忘れてはなりません。



 もう一つ忘れてはならないことがありました。


 本を読みましょう。


 最初はマンガでも何でも構いません。簡単なものでも良いので、とにかく毎日読むことが大切です。毎日読んでいれば、それが訓練になり、読むスピードが上がっていきます。読むスピードが上がれば、問題文を読んでいるうちに時間が終わってしまうという、悲しい事態を防ぐことができます。

 そして、副次的な効用もあります。マンガでも小説でも、ジュニア向けのものにはルビが振られています。マンガは当て字のルビもありますので、完全に推奨できるわけではありませんが、読むだけで、ある程度、漢字の読みを知ることができるのは、学習効果としては大きいです。





 次に、中間層です。このあたりの方々は、得意・不得意があるか無いかで、方向性が変わってきます。


 全て平均的にできる方は、長期的に見るなら、英語・数学に力を入れるのがよいでしょう。理由はこれまでも述べてきたとおり、積み上げが必要な上に、成果が出るのに時間がかかるからです。受験が迫っていたり、手っ取り早い成果を求められていたり、といった場合の対応は、前述の通りです。




 得意教科と不得意教科がある場合は、不得意を克服する方向で学習を進めた方が効率的です。


 例えば、70点取っている教科と、30点の教科があったとします。この2教科で20点上げたいと考えたとき、70点を90点にするのと、30点を50点にするのは、どちらが楽か、考えてみると良いと思います。

 まあ、苦手意識のある教科は勉強したくないでしょうから、モチベーションの維持という観点では、計20点なら得意教科を伸ばすのも、アリかもしれません。

 しかし、これが、30点ならどうでしょうか。70点を100点にするのって、相当難しいですよね。しかも、どう頑張っても、満点以上は得点できないんです。


 こんなこともありまして、得意教科の伸長よりは、苦手克服をお勧めした次第です。





 上位層は、もうわかりましたね。『不得意を克服する』しかみちはありません。


 理由は満点以上取れないからです。







 ここで、高校はとても上位とは言えない成績帯ではありましたが、私の大学受験での出来事をお伝えしようと思います。ちょっと長くなりますが、お許しください。



 私は、大学入試で失敗し、浪人を経験しております。


 原因は、学習すべき教科について、根本的に思い違いをしていたからです。


 私の高校時代のおおよその成績は、先般お示ししたとおりです。


 この状態の時、私が何を考えていたかというと、

「好きなことを勉強してれば何とかなるんじゃね?」ということです。



 結果は惨敗でした。


 当時のセンター試験では、国語と世界史で、自己採点で満点近い点数を叩きだし、生物でも9割近い点数を取りましたが、英語と数Ⅰは約5割。合計点は、目安を30点も下回っておりました。

 2次は国語・英語・世界史で200点ずつの配点でした。センターをそのまま当てはめたとしても500点弱。記述式でしたから、おそらく、実際の得点は、もう少し低かったでしょう。

 結果、2次の合格ラインは当落線上だった可能性もありますが、センター試験の点が、30点も足りていない状態では、全く話にもなりませんでした。



 私大の試験も、ことごとく不合格。国英のみだったW大以外は、10点差以内(※教えてくれるシステムがあった)ではありましたが、1点差だろうが100点差だろうが、落ちてしまえば同じです。



 文字通り得意教科を極限まで伸ばした結果がコレでした。


 このことからも、上に行けば行くほど、苦手教科の克服をおろそかにすることが、愚かなふるまいであると言うことわかると思います。






『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』

 これは、ドイツ帝国の礎を築いた、鉄血宰相ビスマルクの言葉です。



 愚者たる私は、おかしなことを試みて、だいぶ人生の寄り道をしました。その寄り道によって得られたものもありましたが、大変な親不孝をしてしまったことは間違いありません。


 私の話は、歴史と言うにはあまりにも烏滸おこがましいモノではありますが、賢者たる皆様は、よろしければ、お子様への警句に、ご自身への自戒に、ご活用ください。

 そうしていただければ、己の失敗も生きるというものです。


 お読みいただきありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 面白かったです。そして国語をあまり予習しなくても良い、というのは羨ましいですw私は寧ろ一番苦手だったので、優先させてました。そして苦手教科の克服を優先するのは、確かに大事…だと頭では解って…
[良い点] 大変興味深い考察でした。面白かったです。 「どこから手をつけて良いかわからない」のではなく、「どこからでも手をつけられる」のです。 「得点が低い」のではなく、「伸びしろが大きい」のです。 …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ