異世界初日
限りなくグダった結果がこれだよ!
「…はっ!?」
気づいたら知らない場所で転がっていた。青空が見える。
「…どこだ、ここは」
辺りを見回すと、森に囲まれている事に気付いた。どうやらここはどこかの森の中の少し開けたところらしい。中心に平たい岩があってそこに倒れていた様だ。
少し辺りを探索していたら何か物音がした。振り向くとそこにはスライムがいた…スライム?
「まさか…本当に異世界へ?…来た!来たぞこれ!此処から俺の物語が始まる!しかも目の前には最序盤モンスター!これはレベル無双しか無いな!…けど油断は禁物、万が一があるかもしれないしな。」
生憎何も持っていないので素手で構える。
ースライムはプルプル震えている!
「ん?どうしたんだろう?まあいい、攻撃しないなら好都合だ!」
俺は渾身の踵落としをスライムに放った。蹴ろうとしたがあまりにも対象が小さかったからだ。
踵落としを食らったスライムは当然のように潰れて周囲に飛び散った。その際何か硬い音もしたが。
「畜生、顔にも、身体中にかかりやがった、後で洗おう。初のモンスター狩りは結構簡単だったな。さて、次の獲物はっーッ!?」
思えば何故あの時思わなかったのだろう。スライムは大抵コアが存在すると。そして割れる音がしなかったことを。
そう、スライムは未だ生きていたのだ。
「うっ!がッ、あがっ、がァーっ…アアァッ、ウアアアアアアアァァァァァァァーッ!!!」
飛び散ったスライムは体を溶かし、服を焼き、そして捕食していった。
「アッ、アッ、ああああああ!」
逃げた。ひたすら逃げた。幸い脚はズボンと靴がまだあり溶かされておらず、余裕があった。
恐怖。
スライムは只々純粋な恐怖の権化だった。
「ゼーッ、ゼーッ、ハァ、ハァ、ふう…怖い。」
力尽きる直前に運良く洞窟があったのでそこに逃げ込み、息を整える。もうモンスターには恐怖の感情しか湧かなかった。
「きっとラノベの主人公たちはあれをなんでもないように倒して『なんかやっちゃいました?』っていうんだろうなぁ…くそっ、あのモンスターらをゴミのように…何なんだよ、アイツらは…何であんなチート持ってるんだよ…不公平だろう…」
そう言って愚痴を吐き続ける間にも体…主に顔は溶かされていき、右目はその役目を果たしておらず、スライムに喰われて無くなっていた
「そうだ、寝床を探さなきゃ…この洞窟はどうだろう、中に誰もいなきゃ良いけど」
〜神はそう簡単に微笑まない〜
「モンスターハウスだったぁーー!」
モンスターハウスーその名の通りモンスターが多数集まって集団を作り、生活している場所。多種族でも問題なく住めるため、他とはまた違った生態系を持ち、集団が一家族となっており、侵入者には全員で迎え撃つ。
そこのモンスターの連携は見事なものだった。狼、角兎、熊しかいなかったが、ウサギが壁になってこれ以上侵入されないようにし、熊が接近戦で自分に注意を向け、狼が要所要所で致命的な一撃を放つと言うものだった。
もう全力で逃げた。あんなところにいれば死ぬ。というか何故今生きているのか不思議なくらいの怪我を負った。熊に蹴られて胸の形がおかしくなっている。
意識を失いかけながら歩いていく。
(ああ…もうダメだな…こんなんで生きられる筈がないんだ。)
そう思いながら歩くと少し先に川と建物が見えた。簡素だが、住めない程ではない様な家だ。
(は、は…とうとう幻覚か?…まあいい。幻覚でも家で寝れるだけマシか)
その家に入る迄が限界だった。足に力が入らない。倒れ込んでしまう。
(来世はチートっぽくなれます様に…)
そう思って両目を閉じ、本当に俺は意識を失った
ちょっとした紹介
ボーンラビット…角兎。突進攻撃が主な攻撃方法。性格は勇敢なヘタレ。自分より遥かに大きな侵入者を撃退できて少しびっくりしている