その正体は
あらすじ・題名を変更しました。
旧題「数こそ力なり!! おかしくなった世界の魔物使い」
まぁ致し方ない。
とりあえずお腹も減ったしどこか行くか。
こいつらは……ペットってことにするか。
「行くか。お前ら」
「ギャギャ?」
ん?
小さいゴブリンが大きなゴブリンを指さして何か言っている。
あれはどうしますか? って言ってる気がする。
「どうしたいんだ?」
「ギャギャギャ」
お腹が減ったらしい。
さすがはモンスターだ。
食べたいらしい。
「構わないよ。お前らで分ければいい」
「「「ギャギャギャギャ~~!!」」」
喜んでいるようだ。
元はお前らのボスだったんだがそれは気にしないようだな。
群がっている。
「見ないようにしよう」
グチャリグチャリとボリボリと音は聞こえるが、見なければ良いのだ。
まさか共食いするとは知らなかったな。
食べ終わるまではここを動けないし、どうするか。
「スキルポイント?」
ステータスを見ていたら気が付いた。
60ポイントもある。
ポイントをタップすると何やら一覧が出てきた。
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《成長補正》 50/P
《攻撃強化スキル》 15/P
《防御強化スキル》 15/P
《肉体強化スキル》 20/P
《武器攻撃強化スキル》 15/P
《防具防御強化スキル》 15/P
《装備強化スキル》 20/P
《素早さ強化スキル》 10/P
《魔攻撃力強化スキル》 20/P
《魔防御強化スキル》 20/P
《魔攻防強化スキル》 30/P
《運強化スキル》 10/P
《身体能力強化スキル》 100/P
《アイテムボックス》 100/P
《鑑定》 100/P
《使役者》 10/P
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スキルはたくさんあるがポイントがそれぞれ高いな。
何でもかんでも取れば良いってものでもないし、悩ましいものだ。
それに問題は俺の職業である。
魔物使いである俺のステータスが使い魔であるこいつらに適応されるのかどうかだ。
俺が強くてこいつらも強くなれば問題は無いのだが、俺だけ強くなってこいつらが変わらないのなら魔物使いを腐らせてしまう。
世界がこうなってしまっているのならこれからは力を手に入れなければならない。
無駄には出来ないと考えると俺の職業に適したステータス構成にしなければ生き抜くこともままなずに死ぬだろう。
俺は各種のスキルを見て構成を決めた。
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名前:黒井沢 正義
職業:“魔物使い”
レベル 6
HP 160
MP 56
攻撃力 11
守備力 11
素早さ 11
魔攻力 11
魔防力 11
運 11
スキルポイント:0
スキル
・テイマー(レベル一)
・成長補正
・使役者(レベル一)
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お馴染みの成長補正があったのこれは外せないだろう。
アイテムボックスとか鑑定などもあったのでそのうち取ろうと思う。
使役者のスキルは魔物使いにはピッタリなスキルだったので取得した。
各種の内容はこれだ。
【成長補正】
・成長がしやすく、伸び幅も大きい。
【使役者】
・使役したモノを上手く使役できる。
・使役したモノが得る経験値が増える。
これは俺向きのスキルだった。
と言うかポイントが安くてこんな都合の良いスキルがあるのは魔物使いの職についているからなのではないだろうか。
成長補正はよくわからん。
運が良かったってことで納得しよう。
しばらくすると食事が終わったようでゴブリン達が戻って来た。
「お前ら口を拭けよ」
青い血がベットリじゃないか。
「ギャギャ」
そんな中、一匹のゴブリンが俺に何かを差し出した。
「何だそれ?」
「ギャギャ」
心臓?
命の結晶?
よく分からないが手に取ってみた。
それは紫色の結晶だった。
大きさは五センチのが一個と二センチのが七個だった。
「どこにあったんだ? これ」
「ギャギャ」
そう言って指をさしたのは食い散らかした残骸。
そっと目をそらした。
「うん。お前にやる。好きにしな」
「ギャギャ!?」
驚いているようだ。
「俺はいらない。お前にやる」
そう言って差し出すとゴブリンは恐るおそる受け取り、口に入れてしまった。
「え? 食べるの?」
ゴクンと音がしてゴブリンは俺に頭を下げて仲間の元に行ってしまった。
辺りを見渡すと不思議なことに気が付いた。
「あれ? お前ら傷ついてなかったか?」
「ギャギャ~」
照れてるが可愛くないな。
どうやら回復したようだ。
腕の骨と折れてなかったっけ?
治ったの? マジで?
触ってみたが痛がる様子はない。
魔物はすごい回復力を持っているんだな~。
そう思いながら歩きだした。
後ろにぞろぞろとゴブリンが列をなしているが、傍から見たら俺が連行されているように見えるんだろうな。
さてこれからどうするかな。
人に会っても説明がめんどいし、会わないと情報が手に入らない。
そんなことを考えていると線路の先から人が歩いて来た。
足取りがフラフラとして頭や腕に血の跡がある。
「怪我人か!?」
咄嗟に助けに行こうとした。
「ギャギャギャ!」
ゴブリンに『危険だ!』と止められた。
その言葉に冷静さを取り戻し、近寄ってくる人を見る。
すると、
「~~~~~~~~~!!」
「うぐぅ……」
50mも離れているというのに声にもならない音で耳を塞がなくてはいけないほどの音量が周囲に響いた。
そして顔がこちらに向くと目が飛び出していた。
生気もなく、滴る血は黒いかった。
「ゾンビかよ」
こんな世界だ。
あり得ない話ではないが、直面すると何か込み上げてくるものがあるな。
「ギャギャギャ!」
「え? 囲まれた?」
周囲を見渡すとどこからともなくゾンビが姿を現した。
数十ではなく数百はいるだろう。
「戦うしかない! それぞれ石を持って攻撃しろ!」
その間に俺はスマホを取り出して経験値の配分を半々にした。
生命線のこいつらを強化しなくてはいけない。
全部振り分けても良いのだが俺もレベルを上げないといけない。
ここは線路だ。
前後にゾンビ、柵の反対側にもゾンビだ。
クソ!
またもや逃げ場がない。
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