戦闘・そして
あらすじ・題名を変更しました。
旧題「数こそ力なり!! おかしくなった世界の魔物使い」
※誤字脱字がありましたらご報告お願いします。
何故こいつらは俺を助けのだろか?
いや、俺は何でこいつらが助けたと思ったんだ?
「疑問は後だ。今は生き残ることを優先する!」
分かる。
こいつらは仲間だ。
小さなゴブリン八匹は俺の命令を聞く。
そんな気がする。
向こうはデカいゴブリンが一匹と小さいゴブリンが十匹。
良くは分からないが感覚的に分かる。
小さなゴブリンは仲間に出来るはずだ。
「二匹一組となり小さいゴブリンを捕らえて俺の元に運べ!」
俺の命令を聞いたゴブリンは即座に動き、敵ゴブリンを取り押さえて俺の元に運んでくる。
デカいゴブリンは狼狽えているようだ。
仲間に裏切られて動揺しないわけがない。
今しかない!
捕らえたゴブリンの頭に触れた。
「あいつを倒すのに手を貸せ!」
暴れていたゴブリンはおとなしくなり、目に知性が宿ったように見える。
「あいつの足止めをしろ。ただし死ぬな」
命令された三匹の小さいゴブリンは石を投げ、デカいゴブリンは狼狽えて後退る。
この隙に小さなゴブリンを次々に仲間にしていく。
『レベルが上がりました』
この声も謎だが今は無視!
すべてのゴブリンを仲間に出来た。
総勢で18匹の小さなゴブリン達だ。
「八匹は頭に石を投げろ。残りは石を持って待機!」
大きなゴブリンは相当混乱しているようだ。
まともに攻撃も防御も出来ていない。
今しかない。
混乱が収まって俺に向かって来たら今度こそ殺される。
その前に殺さなくては!
一匹が投げた石が大きいゴブリンの頭に直撃し、巨体がぐらついた。
「今だ!飛び掛かれ! 頭を叩くんだ!」
十匹のゴブリンが一斉に群がり、巨体を倒した。
暴れる大きなゴブリンに容赦なく振り下ろされ、小さなゴブリンが振るう石はゴツゴツと音を立てている。
どのぐらい時間が経っただろうか。
十分か三十分か。
長いような短い時間が流れ、そして。
『モンスターを倒しました。経験値を獲得しました』
『レベルが上がりました』
『レベルが上がりました』
『レベルが上がりました』
『レベルが上がりました』
『レベルが上がりました』
大きなゴブリンを倒したのだった。
「よか……った」
安堵からか気が抜けたと同時に意識も抜けてしまった。
―――――――――
目を覚ますとそこには小さなゴブリンが居た。
「うわぁ!? ……って仲間だった」
マジでビビった。
「朝か」
周囲が明るいことに気が付き、太陽が姿を現す直前だった。
そう考えると結構寝ていたのかもしれない。
「えっと。お前らは俺の言葉が分かるのか?」
「ギャ」
頷く小さなゴブリン。
不思議だ。
昨日は醜悪で怖かったんだが、今はデフォルメされた感じでキモ可愛いくなっている。
周囲を見渡すと大きな巨体があった。
小さいモノも数体転がっている。
小さいゴブリンの数が十三匹になっている。
他は死んでしまったようだ。
傷ついているゴブリンもいる。
「どうしたものか、本当に」
無意識にスマホを取り出して時間を確認した。
壊れているとはいえ、いつもの癖だから仕方ない。
だが、今回はそれが良かった。
「レベルが上がりました? あ、あの声ってこれから流れてなのか?」
何で?
どうして?
どうやって?
どうなった?
スマホをポチポチして分かったことは『救済プログラム』がすべての始まりってことか。
全てのログが残っていた。
電車でのアナウンスは気のせいではなかったようだ。
まぁ全然聞いてなかったからこのログがなかったら知りえなかったんだがな。
スマホを確認したが、壊れてはいなかった。
ホーム画面に表示されている1099時間14時間48分は残り時間ってことか。
他にもスマホに知らないアプリが入っていた。
その名も【自己管理ツール】だ。
これは簡単に言えばステータスを見るモノだった。
見るだけじゃなくて設定も出来るようだ。
そしてこれが今の俺のステータスである。
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名前:黒井沢 正義
職業: 無職→“魔物使い”
レベル 0→6
HP 100→160
MP 50→56
攻撃力 5→11
守備力 5→11
素早さ 5→11
魔攻力 5→11
魔防力 5→11
運 5→11
スキルポイント:60
スキル
・テイマー(レベル一)
俺の数値は弱いのだろうな。
何とか小さいゴブリンに勝てる程度だし。
やはり注目する点は職業の魔物使いだろう。
そしてスキルのテイマー。
【魔物使い】
・スキル《テイマー》を有し、魔物を操る事が出来る。
《テイマー》
・魔物の捕縛、解放、命令を行える。
・魔物が倒した経験値の裁量は自由に設定できる。
・現状捕縛できる魔物の数は20である。
と、こんな感じになっている。
このスキルのおかげで命が助かったようだ。
小さなゴブリンを自分の手で倒したのが良かったのだろう。
あれが無ければ俺はこの職業になれずに死んでいたし、この職業じゃなくても死んでいた。
本当に運が良かった。
初めて運が良いと思えたよ。
このスキルを読むが最低限のことしか書かれていないようだ。
どうやってテイムするかとか書かれていない。
まぁ感覚で分かるけどね。
テイマーのスキルは相手に手で触れてなければならない。
戦闘時、俺はこのスキルを無意識に発動したが、その際に俺の身体に触れていたのが最初の八匹だ。
そして意思を伝えなければならない。
「仲間になれ」とか「あいつを倒すのを手伝え」とかそんな感じである。
重要なのが意思の力である。
俺があのデカいゴブリンを倒すのを望んだから小さいゴブリンは仲間になったのだ。
そう考えると小さいゴブリンは大きいゴブリンに対して何か思うところがあったのかもしれない。
聞いてみたが頭を傾げていた。
可愛い奴らである。
あの大きいゴブリンを仲間に出来なかったのは両者が互いに反発していたからなのだろう。
他にもレベル的なモノも含まれると思う。
これも感覚的なモノになってしまうが、あのデカいゴブリンを仲間にするには相当意思疎通を図らなくてはいけない気がする。
テイムの難しさなのかもしれない。
さて、いろいろ分かったことで問題が浮上した。
「こいつらどうしようかなぁ……」
消すことはできないようだ。
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