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パートナーは聖竜  作者: みるちゃん
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第5章

「なんだか旅行に行ってた気分だったわねー。」


「たった2日だけど、すごく濃い2日間だったね。また一緒に行こうね。」


「あ、そうだ!腕の紋章がばれない様にしなきゃ!」


「丁度ハンカチあるよ。これで隠したらいいよ。」


「でも、それはシィアの・・・。」


「気にしないで。」


そういうと、シィアはフィアネの腕に赤いハンカチを巻いた。


「うん、よくにあってるよ。」


「えへへ、ありがとぉシィア。」


フィアネはてれくさそうに言った。


「そういえば街がやけに静かね?」


「そう言われてみれば確かにそうだね・・・。」


すると、テレビから緊急のニュースが流れた。


「今日の6時から開催されるはずのフィアネ・アミュレット・リムステラのライブが中止になるとの噂が世界中で相次いでいます。では中継をご覧ください。」


会場には数えきれない程の人が会場を埋め尽くしていた。



「誰一人として文句を言う事もなく、黙ったままアイドルフィアネを待ち続けています。この様な状況は前代未聞です!この2日間、誰も姿を見ていないとの報告がありました。一体彼女に何があったのでしょうか!?」


ニュースキャスターも、心配そうな表情をしていた。


「あぁぁぁ!今日は確かライブだったのすっかり忘れてたわ!」


「えぇ!!?」



フィアネは慌てて時間を確認した。


「もう30分過ぎてるわ!私ちょっと言ってくるわね。ごめんなさいシィア。あ、そうだこれ!私のライブのSSSS席のチケットなんだけどノール君とディル君に渡してもらえないかしら?今回は特別なライブで世界に四枚しか無くって、原価は一億越えなんだってー。2人に絶対に見に来てねって。あとこれは握手券ね。サインしとかなきゃ無効になっちゃうわ。握手券は二枚しかなくって本来握手は禁止されてるんだけと、さっきも言った通り、今日は特別なライブだから・・・本当はシィアにもあげたかったんだけど・・・。」



「仕方ないよー。バレたら大変だしね。気持ちだけ受け取るね!!」


フィアネはそういうとシィアに合計四枚チケットを渡した。


「それじゃ、行ってくるわね!・・・あ、そうだ!」


フィアネはシィアに近づくとゆっくりと抱きしめた。


「わたし・・・、シィアが大好き!」


そう言うと、フィアネはシィアを置いて全力飛行で会場へ向かった。


「それは僕が1番最初に伝えたい言葉だったのに・・・ずるいよフィアネ。」


~会場~



「すみませーん!ただいま到着しました!」


フィアネは息途切れ途切れで到着した。


「何があったんだいフィアネちゃん!まったくみんな心配したんだよ?」


「本当に申し訳ございません。」


フィアネは何度も頭を下げた。


フィアネの必死な謝罪に察したのか・・・。


「まあいい。取り合えずライブ専用の服を着るんだ!メイク係!急いでフィアネちゃんのメイクを!それと、ニュースでフィアネが到着したと言う情報を全世界に緊急で流せ!」


全員は急いで準備に取りかかった。


一方少し時間を遡ってシィアは・・・。


「やあ、ディルいるかい?」


「お!?シィアじゃないか!?どこに行ってたんだよこの2日間。」


ディルは心配そうに尋ねる。


「ごめんね。何も言ってなくて・・・。」


「まあ、無事なら良かったよ。よく無いのはこいつなんだかなぁ。」



シィアは部屋の奥を見るとノールが俯せになっていた。


「どうしたんだい?ノール?」


「・・・・。」


返事がない、まるで屍のようだ・・・。


「こいつ、2日前に並んでチケットを買いにいったんだが売り切れだったみたいで、テレビで見ろっていったんだけど、それは本物のファンじゃないって言ったっきり・・・。しかも、行方不m・・・。」


「そんなことないですよーー!グスン・・・。あ、シィアさん・・・フィアネさんは?」


辺りをキョロキョロと見回す。


「今、さっきライブ会場に向かったよ。」


「無事なんですね!?良かった・・・。」


ノールはほんの少し気分が戻った。


「ノール君チケット取れなかったんだよね?」


「はい・・・グスン。」


ノールはまた、ぼた餅の様な涙を落とす。


「丁度良かったよ!」


「え?何がですか?」


「実はフィアネから指名で2人に絶対ライブに来るようにってチケットを預かってるんだ。はい。」


シィアはノールとディルにチケットを渡した。



「こ、こここ、これは!?」


ノールは目を疑った。


「お!これってSSSS席のチケットじゃないか!?時価相場一億円するんだろう?良かったなァノール。しかも、指名だぞ?」


ぶんぶんぶんぶんぶん!


言葉に出ないのか、ノールの尻尾が激しく揺れている。


「それで、これが握手券だってさ。これは世界に二枚しか無くて世間には出回ってないサイン入りの握手券なんだって。はい。」


二人にサイン入りの握手券を渡した。


「ウガァァァァーーー!」


両手でチケットを上に掲げている。


「シィアさん!本当に感謝します!ありがとうございます。」


「お、俺の分もあるのか!なんだか世界の人達に申し訳ないなぁ。シィアの分は?」


「僕が行ったらマズいことになっちゃうよ。二人で行って来なよ。ぼくはここで留守番するよ。」

?

「いいのか?」


「早くいかなきゃ、始まっちゃうよ?」


「ディル、早く行こうよ。」


ノールは急かす様にディルの背中を押した。


「すまないな、シィア。終わったらすぐ帰って来るよ。」


そういうと、ディルはノールの背中に乗り、会場に向かった。


「そろそろ始まるかな?」


シィアはテレビをつけた。


フィアネ側~


「メイク只今完了しました。」


「よし、それじゃあ、頼んだよフィアネちゃん。」


「はい!」


フィアネは走ってステージに上がった。と、同時に物凄い歓声が上がった。


ワァァァァァァァーーー!


「みんなー!遅れてごめんねー!」


またしても歓声が巻き上がった。


「心配したよー!」


「フィアネちゃんだから許すよー!」


「みんなありがとぉー!私は今とっても幸せだよー。」


キャーキャーッ!


「それじゃあ、一曲目いくよー!!」


YEAHーーー!


「♪~♪♪~♪~」


ライブが始まった。


「凄い!フィアネさんがこんなに近くに!」


「興奮し過ぎだよノール。」


フィアネは観客達にウインクした。


「フィアネちゃんが、僕にウインクしたぞー!」


「なにいってるのよ!私よ!」


「俺だーー!角度的に!」


「あ!今僕にウインクしましたよ!?」


「ノール、その辺の奴らと同種だな・・・。」


そうして、無事にライブは終了した。


「はぁはぁはぁ・・・みんな・・・今日はありがとーー!」


ワァァァァーーー!!


司会

「それでは、シークレットイベント!握手会を始めます。券を持ってる方は前にお願いします。」


・・・・・・・・・。


辺りは一瞬空気が止まった。


ざわざわざわざわ・・・。


「あ、握手券~~~!?!?」


「そ、そんなの聞いたことないわ!?」


「フィアネちゃんとは握手は禁止のはずだぞ!!」


「今回は特別なイベントです。世界にたった二枚しか存在しません!」


「に、二枚しか!?」


「誰だ羨ましい奴は!!」


「スポンサーやプロデューサーでさえ、握手なんて・・・。ヘアドレッサーだって三重の手袋を・・・。」


ファン達がざわめき始めた。


「えっと、私が名前を呼びまーす。ノールさん、ディルさん。私が今からそちらに向かいます。」


フィアネはステージを降り、ノール達の元へ歩いた。


「フィアネちゃんからの指名だぞ!しかもフィアネちゃんから直々に・・・。」


「俺も呼ばれたーい!!んでもって握手だって・・・。」


「握手だけで死ねます。」



「今日は私のライブに来てくれてありがとうございます!」


フィアネはディルとノールに握手をした。


「近くでみるともっと綺麗だな!」


「うふふ、ありがとう。」


「も、もーこの手は一生洗いません!」


「ちゃんと手は洗わないと駄目だよ?」


こうして、フィアネのライブは終了した。


「もうそろそろ2人が帰ってくる頃かな?」


「シィアさーん。すみませんが扉を開けてくれませんか?」


2人が帰ってきたので扉を開けた。


「済まないなシィア。」


「どうしたの?怪我でもしたの?」


「いえ、フィアネさんと握手したので、なにも触らずに帰って来たんですよ。」


「ってことはディルも?」


「あ、ああ何だかんだで・・・。」


ディルは照れくそうに答えた。


「あはは、そっかー。もうすぐ帰ってくるんじゃないかな?」



「家に戻らなくていいのか?」


「そうだねー、フィアネも疲れてるはずだし。じゃあ、また来るね。」


「シィアさん、今日は本当にありがとうございました。」


ノールは頭を下げた。


シィアはディルの家をあとにした。


「ただいまーって、まだ帰ってるわけないよね。」


シィアはそういうと、テレビを付けた、テレビにはフィアネのライブの再放送があっていた。


「再放送を放送するの早っ!?」


シィアは取り合えず腰を降ろした。


「ふぅ・・・今日は色々と疲れたなぁ・・・。」


シィアは取り合えず風呂の準備にとりかかった。1時間ほどしてフィアネが帰って来た。


「シィア~!ただいまーっ!はぁはぁ・・・。」


「どうしたの!?息が切れてるよ?」


「早く帰って来ちゃったわ。」


「そんなに急がなくても、僕は逃げないよ。」


シィアはニッコリわらった。


「えへへっ。」


「今日は疲れたでしょ?」



「シィアの顔見たら、疲れなんて吹っ飛んじゃうわ。」


「あはは、僕もだよ!あ、もうお風呂のお湯入ってるから先にいいよ?」


「え?私が先でいいの?」


「勿論だよ!」


「じゃあ、お先するわね。」


フィアネは風呂場へ向かう途中、足がふらついていた。


「だ、大丈夫かい?」


「えへへ、やっぱり疲れてるわね。ね、ねぇ、シィア・・・背中を流して欲しいなぁ。」


「え!?僕は別に構わないけど、いいの?」


「・・・うん。」


フィアネはこくりと頷いた。


「うん。じゃあ、行こっか!」


「こんなの外にばれちゃったら大変ね。」


フィアネは笑いながら言った。


「た、確かに・・・。」


シィアは動揺していた。


「大丈夫よ。絶対にばれたりしないわよ。それに、バレても誘ったの私からだし!パートナーだから当たり前だって言えばいいわよ。」


フィアネはシィアの手を引いて風呂場へ向かった。



風呂場に入るとシィアは裾を捲り上げ、フィアネの背中をタオルで洗った。


「フィアネの背中さらさらしてて綺麗だねー。」


「そう言われるとなんだか恥ずかしいわ。」


「このまま髪の毛も洗ってあげるよ!」


シィアはシャンプーを手に取り、フィアネの頭の上に垂らした。


「凄いなぁ、髪の毛もさらさらで全く痛んでないんだね。」


シィアはフィアネの髪の毛が抜けないように軽く洗った。


「はぁー、とっても気持ちいいわ。」


フィアネは目がトロンとしていて今にも寝そうな様子だった。


「どこも痒い場所はないかな?」


「頭の天辺を掻いてもらってもいいかしら?」


「うん!任せて!」


シィアは爪を立てず指先で軽く揉むようにした。


「あぁ、そこっ!気持ちいい~・・・。」


「・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・。」


「・・・グルルルゥ~・・・。」


「うわぁ!?ど、どうしたのフィアネ!?」



フィアネの出した声にシィアは

驚いていた。



「ううん、違うわ。安心したり気持ち良かったりしたらたまに出るのよ。ドラゴンはみんなそうなの。」


「し、知らなかったー、触れちゃいけないところに触れたかと・・・。」


「ごめんね。驚かせちゃって・・・。」


「ううん、もう大丈夫だよ。さっ、流すよ?」


「えっ!?もう流しちゃうの?」


「でも、もう10分も洗ってるし、髪が痛んじゃうよ?」


「10分!?もうそんなにたったの!?気が付かなかったわ。」


「フィアネ、ずっと目を瞑ってたから少し寝たんじゃ無いかな?」


「そんなぁー。」


フィアネはガックリしていた。


「また明日洗ってあげるよ?僕で良かったら。」


「でも、シィアに悪いわ。」


「ううん、気にしないで。」


そう言うとシィアはお湯をかけた。


フィアネの髪はリンスをし終わったあとの様なサラサラ感だった。


「本当に綺麗な髪だねー。羨ましいなぁ。」


「そ、そうかしら?」


フィアネは嬉しそうに答えた。


「それじゃあ、僕は出るね。また後で。」


「うん!ありがとねー。」


シィアは風呂を出た。


「あ、そうだ!夜ご飯は何にしよう。フィアネが風呂から出たら聞いてみよう。」


30分程たってからフィアネは風呂から出て来た。


「ふぅー、すっきりしたわ。あら?何してるの?」


「夜ご飯何にしようかなーって。フィアネは料理は得意?」


「一通りなら出来るわよ。」


「やっぱり女の子は出来るんだねー。」


「何か作っちゃう?」


「そうだねー・・・何にも思いつかないなぁー。フィアネだって疲れてると思うし・・・。」


「それなら私の行き着けのレストランがあるわ!今日はそこでいいんじゃないかしら?」


「それじゃあ、そこに行ってみようよ。」


「ノール君達も呼ばない?」


「うん、そうだね!誘いに行こう。」


「その前に着替えなくちゃ!」


フィアネはシィアを乗せ、ディルの家に向かった。

ディルの家についてベルを押した。

ぴんぽーん。

・・・ガチャ。


「お、シィアどうしたんだ?」


「今からご飯食べに行くんだけど、一緒にいかない?」


「お、いいねー。」


「僕も御一緒していいですか?」


「勿論だよノール。フィアネが外にいるから一緒に待っててよ。」


「えー!?フィアネさんもいるんですか!?」


「なんだもう帰ってたのか。」


「多分外で遊んでるよ。」


ノールは家を飛び出るように出た。そこには小鳥達と戯れている。フィアネの姿があった。


「美しい・・・。」


ノール口から不意に言葉がこぼれた。ノールの姿に気づいたフィアネはノールの元へかけ寄った。



「ノールくーん。」


「こ、こんばんわ!」


ノールは下を向いた。


「こんばんわ!お腹減ったねー。」


「そ、そうですね。」


「ん?本当にお腹減ってるー?」


フィアネはノールの顔を覗き込んだ。


「も、もも勿論ですよ・・・。あの、その~。」


「うふふ、ノール君って面白いわね。」


「あは、あはは、ありがとうございます。」


「どうして敬語使うのよー。同じ歳じゃない?」


「で、でも・・・。」


「私達友達でしょ?それじゃあ練習ね!私の名前を呼んでみて!もちろん呼び捨てだよ?私も呼び捨てで呼ぶから!」


「よ、よよ、呼び捨て!?そ、そんな、世界中の人達に恨まれちゃいますよ。」


「はい!すたーと!」


フィアネはポンっと手を叩いた。


「あ、あう、えっと・・・フィフィフィ・・・フィア・・・ネ。」


「なあに?ノール?」


ズイッ。


フィアネはノールの顔に自分の顔を近付けた。


「あ、あの~、かか、か、顔近くないですか?」


「そぉかしら?」←悪ノリ


「何してるのフィアネ?行くよー。」


「はーい!行きましょうノール!」


フィアネはノールの手を引き、シィアの元へ走った。


「ちょっ、フィアネさん!?」


その後、シィア達は、フィアネの行き着けの高級レストランでディナーをたのしんだ。


「フィアネさん、ご馳走さまでした。」


「えへへ、どういたしましてー。」


「それじゃあ、俺達は帰るよ。今日はありがとなー。」


ディルはノールに乗って帰って行った。


「さあ、僕たちも帰ろう。」


フィアネはシィアを乗せ、家へと帰った。

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