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パートナーは聖竜  作者: みるちゃん
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第4章

「うーん、もう朝かぁー。」


シィアは重たい瞼をゆっくりあけた。


「さて起きるか・・・あれ?起きられない?」


フィアネはシィアに抱きついたまま寝ていた。


「うーん、どうしよう。」


仕方なくシィアはフィアネを起こす事にした。


「フィアネ、朝だよ?起きてー!」


「あ、おはようシィア・・・。」


「おはようフィアネ。えっと、起きたいんだけどいいかな?」


「・・・・・・。」


フィアネは慌ててシィアを離した。


「ご、ごごご、ごめんなさい!私ったら・・・。」


「あはは、大丈夫だよ?」


「私、変な事してない?」


「ん?特に何にもしてないよ?」


「ホント?良かったわー。」


フィアネはホッとした。


ガチャ。


すると、フィアネのお母さんが部屋に入ってきた。


「朝ごはんできたわよ!あら?お邪魔だったかしら?」



「いえ、今起きた所です。」


「お母さんノックしてよー。」


「あらあら?シィア君、うちの娘はどうだったかしら? 美味しくいただいたかしら?」


フィアネのお母さんはいやらしい顔でいう。


「もーっ、シィアに失礼でしょ!」


「冗談よ冗談!」


フィアネのお母さんは笑ながら言った。


「シィア君の分もあるから冷めないうちにね。」


「あ、はい!僕の分まですみません。」


「行こうシィア。今日は本契約を結ばなきゃ!」


ごはんを食べ終えると、フィアネはシィアの手を引き、元気よく家を飛びたした。


「まったく、若いっていいわね。」






シィアとフィアネは本契約を場所へと向かった。


「本契約はどこで結ぶのかな?」


「会場はあそこよ。」


フィアネは下を指差した。


「空を飛ぶとこんなに早いんだね。」


フィアネはゆっくりと地面に降りた。


「さあ、ついたわよ。」


「でか!こんなに大きな建物初めて見たよ!」


「街の中央にあるからねー。とりあえず、入ろ!」


シィアは大きな扉を開いた。すると、中で受け付け令嬢(ドラゴン)がいた。


「おはようございます。此方では本契約を結ぶ事が出来ます。今回はどの様なご用件ですか?」


「えっと、本契約を結びたいんですけどいいですか?」


「かしこまりました。ベールライセンスをお出しになってお待ちください。」


シィアは自分のライセンスを出すと、近くにあった椅子に腰をおろした。数分すると、シィアとフィアネは受け付け令嬢に呼ばれ、奥の広い部屋に入って行った。


部屋の中は何もなく、ゆかの真ん中に大きな魔法陣が描かれていた。



「それでは今から本契約の儀式を始めます。シィア・サーレイル・イグナドルさん フィアネ・アミュレット・リムステラさん陣の中にお入り下さい。」


シィアとフィアネは陣の中に入った。すると、陣がいきなり光出した。


「これからお二人の魔力をはかります。数値が最大になった時に、サイレンが鳴りますので、その間にキスをしてください。それでは始めます。」


ブォン・・・。


魔法陣が光出した。


「人間とドラゴンの魔力平均値は1600ほどです。それではお願いします。」


「き、ききき、キス!?本契約を結ぶにはキスしなきゃいけないの?」


「も、もっと難しいテストがあるのかと思ったけど、キ、キスは恥ずかしいね...。」


「キスって・・・。は

、ハズカシイわ・・・。他竜の前で・・・。」


「問題ありません。この事は決して口外されません。」


「そう言う問題じゃ・・・。」


「間もなく、魔力が最大になります。準備してください。」


「ちょ、ま、まだ心の準備が・・・。」



「・・・1500~1700・・・まだ、上がる!?」


ギューーーン!!


床が揺れ始めた。


「どうなってるの!?」


「どうかしたんですか?」



シィアが不思議そうに尋ねる。


「お二人の最大値が平均をさらに上回っています!1800、2100・・・。これ以上は魔法陣が持ちません!直ぐに、二重の魔法陣を!」


すると、人間界にいるはずの黒いフードの男(会長?)が・・・いや、会長に似たまた違う男が入って来た。


「騒がしいと思えば、こいつらにこの程度の魔法陣ではダメだ!」


そういうと、その男は更に魔法陣をかけた。


「な、四重魔法陣!?そんな・・・。」


ズガガガガガッ!


「くっ!私だけでは耐えきれん!他の者全員呼んでくるんだ!」


「はい!デーヴィス様!」


そういうと、受け付け令嬢のドラゴンは、この本契約場にいる、全てのドラゴンに呼びかけた。



「ふんっ!弟の言う通り、計り知れない魔力だ!これが生まれ持った力なのか!」


「弟?」


シィアはそれがまだ誰だかわからなかった。


「シィア、私なんだか心配になって来たわ・・・。」


フィアネは怯えていた。


「大丈夫だよ?僕がいるじゃん!それでも心配かな?」


シィアはフィアネの目をジッと見た。


「ううん、大丈夫!もう怖くないわ!」


すると、令嬢のドラゴンを入れた四匹のドラゴンが着た。


「デーヴィス様!只今到着しました。」


「ようし!この二人を囲み、魔法陣を強化するんだ!」


「はい!×4」


ブォーーンッ!


「ふはははは!魔力4000まだ上がるのか!これなら・・・。」


黒いフードの男は呆れたように笑った。すると・・・。


ピピピピピピピピッ!!


「魔力最大値4500! 今です!」


「それじゃあ、僕からいくね。」


そう言うと、シィアはフィアネの頭を自分の顔に寄せ、思いっきりキスをした。


「ん.....!? んむぅ...///」


暴走していた魔力の渦が、フィアネの身体に吸収されていった。


「もういいですよ。 フィアネさん。シィアさんを放してあげてください。」


「ぷはぁ!!シィアごめんなさい!わ、私ったら・・・。」


「う、ううん、気にしないで。大丈夫だよ。それより、部屋、メチャクチャになっちゃったね・・・。」


「気にするな、すぐになおる。どうだ?腕はどうもないか?」


「はい、なんともないです。」


「その紋章はお前とその子が本契約を結んだ証だ。消える事のない真のパートナーの印。」


「私とシィアの印・・・。」


「それで、僕は何をすればいいんですか?」


「するのは、お前ではない。するのは、お前だ!」


デーヴィスはフィアネを指差した。


「え!?わ、私?」


「人間はパートナー無しでは本契約を結んだ意味がない。逆の場合もそうだ。」


「それで・・・私は何をすれば・・・。」


「一言で言うなら、意味を示せ。」


「意味を?」


「そこからは、私ではなくお前が決める事だ。人助けをする事、強くなる事、誰かを幸せにする事、または、悪に手を染めるか、それはお前が決めるのだ。」


「私が・・・。」


「そうだ。」


「私には・・・、私には幸せにしたい人がいます!その人の夢や目標を叶えてあげるのがわたしの夢で、目標です。」


「いい答えだ。お前なら心配ないだろう。シィアよ、パートナーを大切にする心を忘れるなよ!」


「はい。」


「あーーっ!」


フィアネが突然叫んだ。


「どうしたの?フィアネ?」


「お仕事無断で休んじゃったから謝りにいかなきゃ。」


「全く仕方がないヤツだ・・・。」


デーヴィスは呆れた。


「まあいい。一度帰って支度をして来い。」


シィア達はもう一度門をくぐり抜け、元いた世界へ急いで戻った。

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