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パートナーは聖竜  作者: みるちゃん
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第3章

僕の部屋にはドラゴンが住んでいる。しかもその辺にいるドラゴンじゃなくて、超がつくほど有名なアイドル。彼女は僕のパートナーと言うことで僕の家に住んでいるわけたが僕が人間だから気にしないのか、彼女は同居していることになんの偏見もないみたいだ。


「おはようフィアネ。よく眠れたかい?」


ムクリ…。


「ぅ~ん、おはようシィア。」


フィアネは僕の方に倒れ込んできた。どうやらまだ寝惚けているみたいだ。 こんな事が世間にばれて仕舞えば特大スキャンダルになりそうだ。


「まだ眠いの?」


「う゛ーん。」


フィアネはゆっくりとまた起き上がった。


「・・・や、やだ私ったらそんな・・・は、恥ずかしいわ・・・ごめんなさい・・・。」


フィアネはかなり顔が赤くなった。


やはり恥ずかしいらしい。


「気にしないでいいよ。早く顔洗っておいで。ちょっと今日は出かけるよ。」


「え!私も?」


「もちろんだよ。」


フィアネは嬉しそうに洗面所に向かった。


僕は玄関に行き新聞を拾った。新聞を広げると、僕とフィアネの記事が一面記事を見た。


「スーパーアイドルのフィアネ・アミュレット・リムステラの親友が発覚!?」


「あ!?これは・・・。長い名前だなぁー。」


「ん?どうしたのぉ?」


「あ、昨日のライブの後に私が話しちゃった・・・これじゃあ、外に出られないわね・・・。ごめんなさい。」


「フィアネのせいじゃないよ。それに出られないわけじゃないからね。」


「そういえば出かけるって言ってたけどこれからどこにいくの?」


「異世界って知ってる?」


「ベルディルグの事でしょ?私もその異世界ベルディルグから来たのよ。」


「そうなの!?!? でもどうしてこっちの世界に?」


「うん、それがねー変なフード被った人が私のところに来てね、こっちの世界で歌えって言われたの。それからあっちの世界でも歌が人気になっちゃって。」


(あのフードの男の人の事かな・・・)

「そうだったんだね。それでね、今からその人の所にいくから行く準備が出来たら言ってね。」


フィアネは直ぐに支度をして、玄関に向かった。


「それじゃ、行こうか!」


外に出てフィアネ背中に乗るとフィアネは翼を広げ、勢いよく地面を蹴り飛び立った。


「空を飛ぶのってやっぱり楽しいねー。」


「私も一人で飛んでるより二人の方がずっと楽しいわ。」


空を飛んでいると小鳥達がフィアネに近づいてきた。山を飛び越え、湖の水面近くまで低空飛行したり、まるで小鳥たちと遊んでいるかのようにフィアネは楽しそうにしていた。


「もうすぐ街に到着するわ。どこに降りる?」


僕は辺りを見回しながら降り立つ場所を探した。そして人に見つからなくフィアネも丁度降りられる広い場所を見つけた。


「あそこに降りようよ。」


フィアネはばれないように素早く降りた。


「なんとかバレずに降りられたわね。」


「でもこれからどうやってあの場所まで行くかだよねー。」


「大丈夫よ、そのためにこれを作っておいたわよ。」


ゴソゴソ…。


「じゃーん!」


フィアネは白いコートをどこからか出した。


「あれ?でも、僕の分しかないよ?」


「私は大丈夫だから着てみて。」


僕はフィアネからコートを受けとるとそれを着た。


「これって凄く高かったんじゃないの?」


「シィアが着てくれるんなら値段なんて関係ないわ。」


「ありがとう、大切にするね。」


「う、うん。」


フィアネは照れくさそうに答えた。

すると、フィアネはゆっくりとシィアにのしかかった。


「ど、どうしたの!?」


その瞬間フィアネは手のひらサイズまで小さくなり、コートの中に潜り込んだ。


「小さくなる事も出来るの!?!?」


「ふふ♪ このままコートを着てたらばれずに行けるわね。」


「フィアネはなんでもできるんだねー。」


「えへへー!」


フィアネは照れながら答えた。



ライセンスの試験場に到着すると僕はゆっくりと扉を開いた。すると、そこには一匹のドラゴンが立っていた。


「あら?こんにちはシィア。また来たのですね!」


「あ、こんにちは~。」


フィアネ

(む・・・誰なのかしら?コートの中からじゃ見えないわ。)


「まだパートナーを見つけてないのですか?」


「あ、いえ・・・パートナーは・・・。あれ?今日の新聞とか見てないんですか?」


「新聞?見てないわよ。う~ん、あなただったら直ぐに見つかると思ったんですけどー・・・。

あ、もし、それだったら私なんかどうです?」


「・・・え!?」


フィアネ

(!?こんの雌ドラァ!!ゆ、許さないわ!!)


フィアネは僕のコートの中から飛び出してきた。


「ちょっと!私のパートナーに何手出してるのよ!」


「あ、フィアネ駄目だよ出てきちゃ・・・。」


「だって私がシィアのパートナーだっていうのにこの子が・・・。」


「フ、フィアネ!?まさか貴方にパートナーがいたなんて・・・!?でも、そんな訳が・・・。」


「シィアは私が唯一本当の心を開ける人間・・・。私の事をアイドルとしてじゃなくパートナーとして接してくれたシィアを貴方なんかに渡しはしないわ。」



すると、あの時のフードを被った男が現れた。


「こんなところで何をしてるんだ?」


「い、いえ会長私は何も・・・。」


「へ?会長?」


僕は何の事だかさっぱりわからなかった。あとで聞いた話によるとフードを被った男はここのライセンス試験場の会長をつとめているらしい。


「シィア。とうとうパートナーを見つけたみたいだな・・・だが、まさかシィアのパートナーがフィアネだったなんてな・・・。とりあえず部屋にくるんだ。そこで話がある。」


そう言うと会長は奥の部屋に戻っていった。


気がつくとあたりにはたくさんの野次がフィアネの所にあつまっていた。


「すげーすげー本物だー!」


「サインくださーい!」


「かわいーーい!」


この短時間で数千人の人が集まり、試験場の外までもが野次が溢れかえっていた。


「あぅあぅ・・・ど、どうしたらいいのかしら・・・?シ、シィアーー!」


「ん?横にいるよー。」


「あ、あれ・・・?ご、ごめんね・・・。」


「この人の量だったらしかたがないよー。とりあえず、一回ここから出なくちゃね・・・。」


フィアネを小さくすると僕は人混みの中を素早く抜け出しそのままフードの男(会長)のいる扉の奥に入った。


「すみません、遅れちゃって・・・。」


「まあ良い。さて、これからお前達は異世界ベルディルグにいってもらう、そこの扉を潜れば直ぐにいける。」


そう言うと、フードの男は奇妙なドアを指差した。


「異世界に行って私たちは何をすればいいのかしら?」


「簡単な事だ。シィアよ、お前の持っているライセンスは見ての通り特別なベールライセンス。異世界と此方の世界を自由に行き来できる代物だ。」


「えーっ!?シィアのライセンスは普通のライセンスじゃなかったのね!」


フィアネはかなり驚いていた。


「え?でも契約の時にライセンスを渡したからすでに知ってると思ってたよー。」


「私は普通のライセンスがどんなのかしらなかったから見分けがつかなかったわー。」


「そうだったんだぁ。ごめんね言ってなくて・・・。」


「い、う、うぅん、謝らなくてもいいわよ!?シィアは悪くないわ!」


フィアネは必死に答えた。


「おや?そうとうこの子を気に入っているようだな?フィアネ。」


「えっと・・・そのー。」


フィアネはチラッとシィアの方を見た。


「それで、異世界に行って僕たちは何をすればいいんですか?」


「ベールライセンスを持つ人間は異世界に行き、パートナーと本契約を結ぶ必要がある。することはそれだけだ・・・。」


「あの時の普通の契約じゃ駄目らしいのねー。」


「そうらしいね。それじゃあいこうフィアネ!」


シィア達は扉をくぐり、異世界に到着した。扉を抜けた先には美しい草原が地平線の彼方まで広がっていた。


「こ、ここが異世界ベルディルグなんだね!」


シィアはその美しい景色に心を奪われていた。


「こっちには永遠と草原が続いているのよ。そして後ろがー・・・。」


シィアは後ろを振り向くと崖の上にいた。下を除くと今までに見たことのない大きな大都市を目の当たりにした。


「大都市ラフィアよ。ここはこの世界で一番栄えている街なの。ここには私達ドラゴンに必要な多くの物があるわ。」


「ドラゴンに必要な物?」


「簡単に言えば食料とかを指すのかしら?こっちの世界ではシィア達の世界と違って物価がかなり違うの。ここでは何でもが安く手にはいるわよ?」


「へぇー!凄いなぁー!」


「ねぇシィア?ちょっと行ってみない?」


「え!ホント!?いこういこう!」


シィアはフィアネの背中に乗ると崖を一気に飛び降りた。街に着くとシィアは見たことのない光景を目の当たりにした。


「ド、ドラゴンばっかりだ・・・。」


シィアは辺りをキョロキョロと見回した。


「此方の世界には逆に人間が少ないわ。ここにいる人間はすべてシィアと同じベールライセンスの所持者しか来られないからなの。」



「なるほどー。だから人間が少ないんだね。」


すると、シィアはフィアネの後ろにある店に目が止まった。


「な、何これ!?」

シィアは奇妙な物を手にとった。


「これは魔具って言ってね、色々な種類があるのよ。それは物を小さくするために使う魔具よ。重いものを運ぶ時に使うわ。」


「へぇー、見た目は綺麗な石と変わらないね。あ!今度はあっちにも面白いのがあるよ。早く早くー。」


「あ、待ってよシィア~。」


シィアとフィアネは一日中街で遊んだ。大半はフィアネのファンがサインをねだってきてあまり街を歩いてまわれなかったが、気が付くと夜になっていた。


「こんなに遊んだのは久しぶりだったよー。」


「私もとっても楽しかったわ!時間が過ぎるのを忘れちゃうくらいだったわ。」


フィアネは満足そうに答えた。


「あ、見てフィアネ!」


シィアは宝石のある店を指差した。


「わぁぁーっ。とっても綺麗ねー。」


「凄いなぁー・・・ちょっと中にはいってみようよ。」


シィアとフィアネは宝石店に立ち寄った。


「やっぱり高いんだねー・・・当たり前かー。」


シィアは早足で奥に進んでいった。




「えぇっと、ラミネールピアス?でも、とっても綺麗だなぁ。」


「いらっしゃいませ。このピアスが欲しいのですか?」


「あ、あのー、これはいくらぐらいなんですか?」


「ラミネールピアスですか?誰かにプレゼントですね?」



「え、あ、はい!プレゼントに・・・。」


「このラミネールピアスは特別な石に魔力が込められていて縁結び・幸せ・愛の魔力が込められていています。相手と一緒につけると効果が発揮されるんですよ?」


「これプレゼントしたらシィア・・・喜んでくれるかしら・・・?」


「サイズはどうなさいます?」


「え?サ、サイズですか?」


「彼女のサイズです。わかりませんか?」


「えーっと・・・それはサイズで言うとどのくらいですか?」


フィアネは店員の耳についているピアスを指差した。


「これは人間用なのでドラゴンの耳には会いませんよ。」


「あ、いえ、このピアスのドラゴン用と人間用を一つずつ下さい。彼氏じゃなくて私の大切な人にあげたいんです。」


「かしこまりました。少々お待ちください。」


店員は奥の倉庫に入っていった。


「シィアこんなところにいたんだー。お店の中はドラゴン用に合わせてあるから広くて広くて。」


「う、うん、それで・・・何かいいのは見つかったの?」


「うん!見てよこのピアス。これを二人でつけると幸せになるんだってー!この片方をフィアネにあげるよ。」


「え?私に?」


「そうだよ?・・・もしかして嫌だったかな・・・。」


「ううん×1000

そんなことないわ!ありがとぉ大切にするわ。」


フィアネは嬉しそうに受け取った。


「お待たせしましたー。此方のピアスで間違いないですか?」


「あれ?フィアネもピアス買ったの?」


「私も片方のピアスをシィアにあげるわ!えっとねーっ、こ、これをつけると幸せになれるのよ!」


フィアネは顔が真っ赤になった。


「フィアネも買っていたんだね?嬉しいなぁー。ありがとう大事にするよ!」


「あ・・・うん!ありがとうシィア!」


フィアネは嬉しそうにニッコリ笑った。


お互いのピアスを重ね会わせると、綺麗な銀の色の水晶のように見えた。


「えへへ、シィアとお揃いね。」


フィアネは照れながらピアスを付けた。


ピアスを買うとシィア達は店を出た。


「そう言えばお昼から何にも食べてなかったね。フィアネはお腹減ってるかい?」


「私もお腹が減ったわ。何かこのへんで美味しそうなレストランないかしら?」


「あ!あのお店はどうかな?でも高そうだねー。」


「大丈夫!お金ならあるわ。」


「でも、フィアネに出させるわけにはいかないよー。ここは僕が出すから、さあ、中には入ろう。」


ご飯を食べ終わり、シィア達は店を出た。


「ごちそうさまシィア。とっても美味しかったわ。」


「喜んでくれて良かったよー。」


「うふふ、シィアとデートしてるみたいでなんだか楽しくてしかたないわ。」


「僕も今日はとっても楽しかったよ。こんな遊んだのは何年ぶりだったかなぁー。」


「これからどうするの?」


「そうだねー、取り合えず寝る所を探さないとね。」


「そうねー。この辺で寝泊まりする場所っていったら・・・。」


「この世界は初めてだからフィアネに任せるよー。」


「あ!それなら私の家が近くにあるからそこがいいんじゃないかしら? 実家に帰るなんて久しぶりだわ。」


「この付近に住んでたんだねー。そっかぁ、フィアネはこっちの世界の出身だったね。」


「行きましょ♪家族もきっと歓迎してくれると思うわ。」


シィアはフィアネの家に泊まることにした。

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