表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋と甘さとはにかみと。  作者: ハルカ カズラ
3/7

③香る草餅とせんぱいと


「ん~~~!! この甘じょっぱさが美味しい! あ……あの、先輩。先輩に聞きたいことがあるんです」


「うん? 何かな」


「わたしだけ名前で呼んでもらってるじゃないですか~。先輩って言うのもいいんですけど、お名前で呼びたいな、と」


「あれ? 教えてなかったっけ。ごめんね、俺は三家成希みやなるき。いつも買ってくれてるおはぎの包装紙見てない? 三家のおはぎって結構有名なんだ」


「えっと、成希せんぱいって呼んでもいいですか?」


「うん、よろしくね桜月さん」


 いつも買っていたのにちっとも見ていなかったなんて、何だか恥ずかしいな。


 それでもわたしは、名前が聞けたことに物凄く感動しながら、みたらし団子を美味しくいただいた。


「桜月さんは本当に美味しそうに食べるよね」


「だって美味しいんですよ? 笑顔が出るのは当たり前なんです」


「うん。桜月さんさえよかったらさ、今度はケーキでも食べようか?」


「ホントですか!? わたし、ケーキ屋さんも常連なんです。成希せんぱいとはこうやって、和菓子の三家で出会えましたけどね~」


「そっか、桜月さんは甘いもの屋さんが顔見知りなんだね(出会えて良かった)」


「え?」


「ううん、何でもないよ」


 和菓子屋さんだからこそせんぱいに出会えたのかもしれない。幸せな時間と甘い時間が過ごせるなんて思わなかったなあ。


 今度は、ケーキ屋さんでせんぱいと会うなんて、きっとせんぱいも甘いものが好きなんだね。わたしと一緒だなんて、何だか嬉しいな。


「ん~~! 舌と口中に粘りある草餅がいつまでも味わえて、食べたあとにほんのりと鼻に香ってくる笹の葉の香りが、とても好きです!」


「ありがとう、桜月さん」


成希せんぱいがわたしにお礼を言ってくれたけど、わたしもこんなに美味しいお餅に出会えて嬉しいです。もっと、甘いものに出会いつつ、成希せんぱいと仲良くなりたいな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ