表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋と甘さとはにかみと。  作者: ハルカ カズラ
2/7

②みたらし団子とカレ


 中一の春から夏に変わる頃、外は穏やかな風が吹いていて学校の中庭の芝生みたいな所で、わたしは堂々と風呂敷を広げて丸いおはぎを頬張っていた。


 甘い物が主食と言ってもいいかもしれない。それくらいわたしは甘い物に目がなくて、数か月経った辺りでクラスの友達はわたしを甘ちゃんと呼ぶようになっていた。


 いたって普通の体に、どうしてこうも甘い物をとり続けるのかなんて、ラインでみんなが議題に上げたくらいに。それでいて虫歯でもなく、ぶくぶくでもなく……欠点と言えば、男子は近寄ってこないくらい。


 そんなこんなで、外の中庭で大好きなおはぎを口にしようとした時、数人の男子たちが物珍しそうにわたしを見ていた。知らない風に話していたからたぶん、先輩だと思う。その中に、カレがいた。


「なぁ、あの子見ろよ! スゲー甘そうなモン大量に食ってんぜ? ありえねー」

「可愛いけど、オレは甘いの無理だな。残念だ……」

「……あれ? もしかして、桜月さん?」


 いつものことだけど、見世物のようにからかいの言葉が聞こえて来ていて、1人だけ違う人がいることに気付き、そしてカレ、行きつけの和菓子屋さんのカレがそこにいた。


「えっ?」


「やっぱり! 桜月さつきさんだ。こんにちは、今日もウチのおはぎを食べてくれてありがとう」


「こ、こんにちは。あの、先輩だったんですか?」


「うん、そう。って言っても一つだけの先輩だけどね。桜月さん、今日の帰りにまたうちに来れるかな? 一緒にお団子でも食べよう? みたらし団子、好き?」


 他にも先輩男子がいたこともあって、無言で何度も頷いてたわたし。先輩だったんだ……これって、何の運命なんだろ? その前に、先輩の名前を聞き出さないと駄目だよね。お店に寄ったら聞いてみなきゃ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ