3話 修業
友が妖怪の山で生活をしてから数年がたった
友は何の不自由のない生活を送り、成長していった
しかし最近では、豪鬼が山の統治のために友を残して出て、
友は留守番をするという日が続いていた
一人でいる時間が増えてきたのをどうにかしたいと思った友は何か豪鬼の手伝いになれることはないかと思い、直接聞いた
友「…あのさ、最近留守にすることが多いけどそんなに忙しいの?」
豪鬼「ん?あぁ、…そうだな。最近は外からやってきた妖怪共のせいでお前を家に一人にしている事が多くなっていたな」
友「外の妖怪?」
豪鬼「幻夢の郷の外の人間が都市開発のために妖怪が住みかにしてる山や森を切り崩しているせいで、住処を失くした妖怪たちはここにやってくる。
そして、妖怪は基本強い奴が偉いっていう実力社会だから、自分が強いことを示そうと誰かを襲う。
できるだけ争いごとを起こさないためにも、
そういうやつを倒しておとなしくさせてるんだよ」
友「外が原因でそんなことが…」
豪鬼「ここの為とはいえ、最近は数が増えてきた所為で一緒に居られる時間が少なくなって悪いな…」
そう言って友の頭を撫でる
友「もう頭とか撫でないで…恥ずかしいから」
と頭に乗せられた手を払う
豪鬼「悪い悪い、もうそんな事される年じゃないか」
豪鬼の話を聞いて、外の妖怪をなんとかすればいいのなら
自分も妖怪退治をすればいいのではないかと考える
元々持月家はこの幻夢の郷を守る役目を持っていた
幻夢の郷を守るためには当然そのための力が必要であるが、
友も微弱ながらその力を持っている
鍛え上げれば外の妖怪なんて退治できるはずだ
そう思った友は、幼いころ教わった術を戦いでも使えるものにして外の妖怪を退治しよう
そうすれば、豪鬼の役に立てる
そう考えた
友は、その考えを実行しようと決めて、翌日から修業を始めだす
朝 町から出て山を登ると、全く手の加わっていない自然の中に着いた
まずはどうやって修行を使用かそう考えながら辺りを歩く
近くに小川が流れているのを見つけそれを練習台にしてみることにする
幅が狭く勢いがあまり強くない小川へ意識を集中して手を突き出す
手を突き出した直後川の間にガラスのように透けた小さな壁が川の流れをダムのように止めた
しかし後から流れてくる水によってせき止められた水はどんどん上へとせり上がってくる
友はそこからさらに集中する
すると壁は高さを増し、せり上がった水よりもさらに上回った
そしてまた水が溜まり、壁を通り抜ける前に壁は大きくなる
それを繰り返した
しかし、それは2,3回しか持たず壁は消えて、溜まった水は一気に流れ出した
友「はぁ…はぁ…結構疲れる…」
今の壁は幼いころに教わった術、結界
本来は身を守るために前方に出現させて攻撃を防いだりするのに使うことが多い
友はこれを、川の水を防ぐ対象にして修行した
川の水が溜まればその分結界にかかる、重さや面積が増していく
それに合わせて結界の大きさ、耐久力を強化してする
これを繰り返せば少しずつ強くなっていくだろう
そう考えてやってみた
しかし友は結界だけでは妖怪退治はできないと考えていた
幼いころに教わった術、結界は前方に壁を作り出す程度のもので身を守ることしかできない
そのため攻撃の術も習得できるようにしなければいけないと思っている
数分の休憩をした後、友は再び結界の修行を再開した
限界まで力を使って、休憩する それの繰り返しをし続けた
成果はある程度出ているようで、最初に始めた時よりも止めれる水の量が増えて行った
昼ごろになって一度家に帰って食事をした後、また戻って午後も再開した
そして日が暮れたら帰る
そんな日を何度も繰り返していった
休憩を入れてるとはいえ、毎日そんな事をやっているせいで体への負担は大きく、日が経つに連れ毎晩ひどく疲れている状態になってしまうようになった
修行のことを何も聞いていない豪鬼も
そんな状態になっている日が何度も起こっている友を見て何かしていると思い、ある日友の後をつける
そしていつも友が何をしているのかを知る
もし本当に妖怪退治することになったら危険だと思った豪鬼は何としてでも優に修行をやめさせようと思った
どうすればいいのか考え、ある事を思いつく
そして夜、友にそのことを話す
「おい友、俺と勝負しないか?」
続く
文章が長くなって読みづらくてごめんなさい…
まだまだなっていない所がありますが頑張って話を進ませていきたいと思っています