第9話 燃える執念
今日も見てくれたんだね。ありがと。
明日も17時投稿だからね。 byミスラニト
早くも二回戦目で、俺には"危機”が追っていた。
ミスラニトが調教した熊系の魔物、ベアの一撃をくらい、場外に俺は飛ばされた。
そこで左腕が折れる怪我をしたのだった。
実況「クレナイの左腕...折れています!あの、リピードの攻撃を受け止めたクレナイに腕を、容易く折ってしまったァ!」
クレナイ「やるな。」
ミスラニト「こっちのセリフ。一回戦目の2年生、今ので死んでた。」
とはいえ、こっち腕折られてるんだが。
ミスラニト「でも、君。5%じゃ、倒せないんじゃない?」
確かにその通りだ。
ベアは、リピードの比じゃない。魔物だからというのもあるが、5%じゃほぼ勝てないだろう。
観客席はミスラニトコールで包まれる。
だが、一部の観客はクレナイを応援する。
まだ俺は諦めていない。
俺がこの状況でできること、狙うべきはーー
俺は、また足に魔力を集中させる。
ミスラニト「何度やっても無駄だよ。」
ミスラニトは冷たく言い放つ。でも俺の目は、勝ちに向けて燃えていた。
俺はミスラニトの正面に向かって近づく。当然場所は入れ替わるが、それに合わせ、俺がとった行動ーー
ドン!!
足を一気に踏み込み急ターン。
交代した後、ミスラニトから魔力が、完全に消えるタイミングがある。
時間にして、わずか0.1秒のその隙を、俺は見逃さなかった。
ミスラニト「!!!」
ズドオオン!!!
ミスラニトの背中に、見事な跳び膝蹴りが決まる。
場外に吹き飛んだミスラニトを緑の光が包む。
砂埃が舞う、よりも速く。
実況「命の指輪の光だ!ということは?!勝者、クレナイィィ!!」
観客たち「「「うおおおおお!!!」」」
観客席はこれまでにない盛り上がりを見せる。
実況「凄い!凄すぎる!歴史に残る試合だァ!!」
ピピッ!
"20%”
クレナイ「ラリス、助かる。」
俺は怪我を回復させる。腕が折れるぐらい想定済みのようだ。
左腕を軽く振り回すが問題はなく、腕輪の数字が5%に戻る。
少しして、俺はミスラニトに手を差し伸べる。
だが、そんなことを無視して立ち上がる。
ミスラニト「クレナイ君。君なら、勝てるよ。」
試合の間の冷たさは、どこに行ったのだろう。甘い声でミスラニトは、語りかけた。でも、その瞳が捉えていたのは、俺じゃなかった。
クレナイ「...そうだな。」
この言葉の真の意味に、俺は気づいていた。多分見たな、
『竜の勇者』の試合をーー
~夢幻の社~
もっとだ。5%の限界に俺は達していない。
使える魔力をもっと無駄なく。
今日の試合はもう無い。明日に備えて、最終調整を繰り返す。
クレナイ「『竜の勇者』、勝てるのか?」
いくら武器が使えても、あまり関係ないだろう。
観客席が静まり返るほど、無残な試合だったらしい。
クレナイ「せっかくなら、あの刀...持ってくるか。」
〜翌日〜
『全学年親善試合』2日目の朝、俺はじいちゃんの刀を手に取る。
刀は、ずっしりと重い。刀身は冷たいのに、手が熱くなる。まるで、刀に意思があるようだった。
クレナイ「いくか、」
俺は刀を背中にかけて、会場に向かう。
~会場~
実況「始まりますよ!『全学年親善試合』2日目がァ!」
観客席はまだ温まってないのか、歓声がまばらだ。
実況「早速、二回戦目、第一試合を開始します!!」
モニターに対戦カードが映る。
実況「まずは、3年生!『操演の貴公子』リストォ!!」
リストは右手にフルート、腰には様々な楽器。
首元には、小さなオカリナのついたネックレス。
まるで指揮者みたいな、黒い服に身を包んでいる。
実況「一、二回戦目共に、相手の行動不能による勝利です!」
~ルール~
・行動不能状態で、60秒経過すると敗北
実況「そして、1年生!『本物の最強』クレナイィ!!」
実況「クレナイは、二回戦目で苦戦していましたが、1年生とは思えない動きを見せてくれました!今回はどう動くんだァ?!」
温まってきたのか、観客席は揺れるように熱い声援に包まれていた。
実況「ラリス先生、どっちが勝つと思いますか?」
ラリス「五分五分、遠距離攻撃のできるリストの方が少し有利じゃ...普通ならな。」
そしてーー
実況「鳴った!ゴングが鳴ったァ!」
絶対に、勝つんだ。
俺は、リストの戦闘を見ている。
リスト「【五戦譜】!」
リストが手に持ったフルートを突き出す。そこからは五線譜を思わせる、黒い線が出てくる。当然ーー
クレナイ「バレバレだぞ。」
どの試合も、初動は変わらなかった。だから読める。
リスト「少しはやるね。じゃあ、これならどう?」
リストの優しい声、リストの深呼吸が聞こえる。
フルートを腰にかけ、クラリネットを手に取る。
♪〜〜
ゴゴゴゴゴ!!
リストの奏でる音色には黄土色の魔力がこもっていた。
それに従うように、場外の地面の一部分が挟れ、宙に浮く。その数、5個。
♪~〜~
その地面の塊は、俺を目掛けて襲う。
上から2個、正面から3個。後ろに下がることはできない。
~ルール~
・自ら場外に出たら敗北
逃げ道は無しか。
腕に全魔力、5%を集中。全ての塊を一瞬で砕く。
リスト「次はこっちだ。」
リストは楽しんでるらしい。声がそう聞こえる。
また楽器を変える、次はハーモニカだ。
♪〜♪〜
ハーモニカから出る音色には、赤色の魔力がこもっている。
そのまま魔力は、リストの左右後方に魔法陣を描く。
その魔法陣からは炎があふれる。
クレナイ「発動させるわけ、ねぇだろ!」




