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最強冒険者の旅に、終わりなき___  作者: 霧島 零夜
第一章 魔法学校
8/10

第8話 心の魔物

今日も見てくれるのか。

俺も頑張んないとな。    byクレナイ

二回戦目まで少し時間がある。

せっかくだし、実際に観客席に出向いてみる。


観客席がやけに冷たい。

盛り上がりが一切見られないのだ。


???「あ〜あ、終わっちゃったよ。何が2年の注目選手だ?」


2年生の注目選手、『天使の才能(エンジェルピース)』。

リンを、軽く圧倒している。


リン「なんなのよ、あなた。」


???「本当に自分のことしか、頭にないんだな。」


先輩相手に煽り口調な1年生。


クレナイ「アルト...『竜の勇者(ドラゴニア)』か。」


俺が見に来た頃には試合が終わっていた。

始まったのはついさっきのはずだが、


実況も黙り込んでしまっている。


クレナイ「何があったんだ...」


俺がつぶやくと、アルトはそれに反応したようにこちらを向く。


俺とアルトの目が合う。

アルトは俺に対して、威嚇するように、魔力を放出する。

俺もそれに対して、睨みつける。


魔物(かいぶつ)”と“最強(かいぶつ)


縄張り争いのような雰囲気。

実際は1秒もなかった出来事だが、体感では10秒はあった。


アルトは、控室に戻り、俺は、『夢幻の社(ムゲンノヤシロ)』へ向かう。二回戦目に向けた、最終調整のために。


夢幻の社(ムゲンノヤシロ)


   バキバキ!


クレナイ「ん?」


先着がいたようだ。


ーー特待生以外場所を知らないはずなんだが?


???「コノ匂イ、人間ダ。」


今の一声で、背筋が凍る。


今の声は人間じゃない。魔物か?

言葉を話せる魔物は、例外なく、

ーー強い。


   ピピッ!


腕輪の数字が変化する。


“20%”


クレナイ「20?よし、いいってことだな...」


腕輪の数字が20になる。

それは、ラリスからのサインだ。


〜昨日〜


ラリス「腕輪の数字は、我が操作する。基本は5%だ。【創造神(クリエイター)】も使うな。ただし、数字が20を超えたら、それは我からのGOサインだ。好きにしろ。」


〜そして今〜


魔物は、二足歩行の熊系だ。

熊系は、体が冷えると簡単に倒れる。


俺は、魔物の背後に移動。手を魔物に向ける。


クレナイ「【氷結火(インフェルノ・ゼ)...」


???「待って!」


女性の声だ。気配からして、1年生か?


俺は咄嗟に詠唱をやめる。

いくら無詠唱で発動できても、詠唱した方が、性能がいいのだ。


魔物は、威勢を失い、女性の元へ。


クレナイ「!?」


魔物は跡形もなく消えた。


女性「ごめんね。君、クレナイ君?次、試合。」


クレナイ「あっ、忘れてた。」


俺は急いで会場へ走る。


女性「5%じゃ、勝てないのかな...」


女性が意味深につぶやくが、その時にはもう、クレナイはその場にはいなかった。


〜会場〜


実況「ついに!ついに!始まります!第二回戦だァ!」


観客たち「「「うぉぉぉぉぉ!!!!」」」


俺は控え室で息を整える。


会場には対戦カードが表示された。


実況「二回戦目の第一試合目はァ?!」


実況「特待生、『本物の最強(ほんもののかいぶつ)』クレナイィ!」


観客C「俺この子応援しようかな?」


観客D「あり!私も気になってた!」


一回戦目よりかは盛り上がっている。


実況「観客席からの盛り上がりが聞こえるぞ!あの一回戦目を見て、クレナイに惹かれたようだァ!」


入場がてら腕輪を見る。


“5%”


クレナイ「やっぱ戻ってるか...」


実況「対するはァ?1年生!『気分屋(きぶんや)』ミスラニトォォ!」


観客たち「「がんばれぇ!!!」」


制服を着崩した女性が入場する。左手に持っているのは、枕にようだ。


ミスラニト「また会ったね。クレナイ君。私ね、君と戦ってみたかったんだ。」


こいつ、さっきのか。分かってて会いに来たんだろうな。


とても落ち着きのある、ゆったりとした声。頭から離れない甘い美声だ。


実況「彼女の一回戦目は、一方的!2年生相手に無傷勝利!今回はどう出る?!」


実況「さぁ!ゴングが鳴ったァ!!」


ミスラニト「いくよ。“ベア”!」


右手を胸に当てる。瞬きをしない間に、彼女はピンク色の煙に包まれた。


煙からは、

ーーさっきの熊系の魔物。


ベア「主人(あるじ)様、ワタシハ、アイツ、許セナイ!」


ミスラニト「殺ってきて。」


ミスラニトの笑みがこぼれる。

まるで、お母さんからおやつをもらった子供のようだ。

でも、瞳だけが凍っている。


クレナイ「この魔物、厄介だ。5%で仕留められる気がしない。」


俺は冷静になって考える。

ほぼ確実に、あいつのスキルは、調教(テイム)の、亜種だ。

ーーなら、勝ち確だ。


でも、彼女の目は、笑っていた。


   ズドン!


重みのある音が、フィールドから鳴り響く。

魔物は無視、本人を倒せばいい。


ベア「主人(あるじ)様!」


ベアが声を荒げる。


俺は一歩強く踏み込み、迫ってきたベアの横を抜ける。


ミスラニト「そんな甘くないよ。」


クレナイ「くそっ!」


ミスラニトとベアの位置が入れ替わる。


ベア「【重撃(ヘビービート)】!」


俺は腕に魔力を集中、防御する

ーーが、


体で反響する一撃に、


   バキ!


   ズドオオン!


俺は場外へ吹っ飛ばされる。


実況「今回も決まったァ!調教(テイム)系の弱点を利用した、反撃だァ!」


俺は難なく戻った。


左腕に力を込める。

ーー反応は無し。


指先が動かず、魔力も流れない。


ミスラニト「腕、折れたね。」


左腕には強い衝撃が走った。折れない方がおかしい。

折れたのが左腕だけで良かった。


ミスラニト「反応はいいんだけど。そんなんじゃ守れないよ?」


また位置が変わり、俺はベアと向き合う。

ミスラニトに近づくと、それはベアに近づく事になる。


クレナイ「厄介だな。」


入学して初めての、“危機(ピンチ)“が迫る。

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