第7話 俺はガキじゃない
毎日17時投稿!
絶対見てくれよなァ! byコジマ
実況「一回戦目の、第一試合は?」
会場に設置された4つの大型モニター、そこに対戦カードが表示される。
観客席の熱気が俺に伝わってくる。
実況「なんと!初戦から注目の一戦となりそうだァ!」
実況「お前たち、準備はいいかァ?選手入場だァ!」
観客たち「「「おおぉぉぉ!!」」」
実況「まずは、3年生。『疾風の巨人』リピードォォ!!」
リピードは相変わらずガラが悪そうな雰囲気で入場する。
装備は特にしておらず、なんなら上裸。
装備をしない場合は、制服で出る必要がある。
なぜこれが認められているのか、俺には分からん。
リピード「1年かよ。俺より速いやつなんて、いないのに。」
リピードの呟きは、誰にも聞こえなかったが、俺には宣戦布告の威嚇を感じさせた。
実況「対するは、特待生。『本物の最強』クレナイィィ!!」
俺は制服のポケットに手を突っ込み、余裕を見せながら入場する。
当然ーー
実況「お前らァ!盛り上がりが足りねえぞォ?!」
静まり返っていたのだ。
ていうか、リピードの時から静かだった。
まじで、何したんだあいつは。
リピードは俺は見て驚く、と同時にニヤける。
リピード「お前、中学生だろ?なんでここにいるかは知らんが、ガキは引っ込んどけ!」
クレナイ「覚えてないのか?入学式、お前のパンチは貧弱だったぞ。そんなんでよく言えるな。」
実況「始まってもないのに、バチバチだァ!」
実況「フィールドは、スタジアム中心にある、半径20mの円の台座だ。この外に出た場合は、場外判定が出るから気をつけろよォ!」
ルール
・場外に出てから、10秒以内にフィールド上に戻れなかった場合、負けとする。
実況「では、第一試合。始めだァ!」
同時に、高いゴングの音が、スタジアム内で鳴り響く。
試合が始まった直後、会場の空気が変わる。
実況「なんだァ?!クレナイが右腕を突き上げているぞォ?!」
俺がとった行動、“腕輪”を見せつけ、宣言する。
クレナイ「俺が一度に使える魔力量が見えるか?」
リピード「“5%”?舐めてんのか!」
クレナイ「舐めてない。これで十分だ。」
クレナイ「...始めよう。」
俺は足に3%の魔力を乗せる。
地面を蹴り出し、リピードの顔面を捉える。
俺は魔力量が決められている。より繊細かつ、効果的な攻撃でないと、
実況「おっと、先制したクレナイの蹴りは不発か?」
リピードは不気味に笑う。
ーー全く効いていなかった。
クレナイ「硬すぎだろ...」
即座に距離を取る。
ーーが、
実況「リピードが構える。クレナイトの距離はざっと8m、もしや、あのスキルが出るのか!?」
リピード「その距離、射程内だ!」
クレナイ「消え...」
視界が揺れる。
何事だ?空気の揺れさえ感じなかった。
ドオオン!
実況「これは決まったァ!」
リピードは一瞬でクレナイの背後に、
その後、首元へラリアットを決めたのだ。
俺は地面に叩きつけられ、砂埃がその強さを物語る。
実況「判決が出ません!一体どうなっている?!砂埃がフィールドを覆い尽くしているため、何も見えない!」
砂埃の中で、一つの影が動く。
リピード「なに!?」
リピードは構えたが、気づいた頃にはーー
ズドオオオン!!
場外で激しい砂埃が舞い始め、
観客席では、入学式の時のようにざわつく
その隙間からは、微かに見える緑色の光。
光は、一瞬脈打っていた
実況「あの光は、命の指輪です!どっちだ、どっちが勝ったんだァ?!」
命の指輪:装備者が死亡時に、傷を全て回復した状態で復活させる。
ルール
・命の指輪が発動した場合負けとなる
やがて、砂埃は収まる。勝者はーー
実況「クレナイ!勝者はまさかの、クレナイだァ!」
実況「ラリス先生、私には、なにも分かりませんでした。あの一瞬、砂埃の中では何が?」
ラリス「クレナイの技術が、リピードを上回ったのじゃろう。」
ラリスが丁寧な説明を始める。
ラリス「まずは最初。リピードのスキル〔速発瞬転〕が発動、クレナイを完全に捉え、完璧なラリアットを決めた。」
ラリス「〔速発瞬転〕、リピードの固有スキルじゃ。自身を中心とした半径10m以内の範囲に、発動からほぼラグなく瞬間移動できるが、身体的負担が大きいようじゃな。」
ラリス「そして、そのラリアットは、クレナイにはノーダメージだったのじゃ。攻撃が当たる瞬間、魔力を全て首に集中。その後わざと、地面に叩きつけられるように仕向けた。おかげで、ダメージが分散したんじゃな。」
実況「ではその後、決着はどういうことだったのですか?!」
ラリス「相変わらずせっかちじゃな、コジマ。」
観客席は笑いに包まれた。
ラリス「クレナイがスライディングで、リピードを股抜き。リピードの左足を掴み、投げた。それだけじゃ。」
もちろん、実際はそれだけじゃない。
投げる前、足に魔力を集中。
起き上がる時の反動を使い、リピードの足を、槍投げの要領で投げた。
クレナイ「俺はガキじゃない。クレナイだ!」
リピードに言い聞かせるが、彼は聞く耳を持たない。
そのまま起き上がり、舌打ちをして控室に戻っていってしまった。




