第5話 心に残るもの
毎日17時に投稿投稿しておるぞ。
要チェックじゃな。 byラリス
ラリス「大丈夫か!」
ラリスと目が合う。初めてラリスの焦りを見た俺は、
クレナイ「ああ、そんなに焦るなんて珍しいな。」
平然を装うが、やはりラリスを疑心暗鬼に思ってしまう。
弟子を殺す?あのラリスが?
ラリス「そうか、なら良いのじゃが。」
そう言っていたが、ラリスは、俺の頬にある傷に気づく。
ラリス「その頬の傷、朝ついたものではないな。」
クレナイ「...」
ラリス「なぜ嘘をついたのじゃ?」
俺の頬の傷。朝ついたものと同じところ。だが朝より深く、より鋭利な刃物での傷だった。
ラリス「はぁ...手紙、読んだんじゃな。」
俺は何も言わない。
ラリス「そこにある刃物に、手紙がくくりつけてあった。」
それでも俺は何も言わない。
ラリス「我のスキルは、未来視や、再生だけじゃない。過去も見えるし、心も読める。」
クレナイ「ハッタリだな。」
ラリス「...どうじゃろうな?」(ほんの一瞬目を逸らす)
ラリス「弟子に嘘をつかれたんじゃ。我も、少しぐらい嘘をつきたくなるじゃろ?」
ラリス「それに、たとえ隠せたと思っても、お主は、表情に出ている。」
クレナイ「でも、俺の表情で確言となったとしても、なぜそこまで詳しくわかる。」
ラリスは、見るからに落ち込んだように、顔を霊らせる。
ラリス「過去の弟子たちにも、同じようなことをされたのじや。」
クレナイ「それなら、そいつが誰だかわかるんだな。」
ラリス「ああ、奴の名は"デスリピア”、」
ラリスの声がまた震える。
ラリス「我が一番弟子だ...」
デスリピア、一番弟子ーー
その名を聞いただけで、あの時の影が脳裏をよぎった。
頬は疼き、背中には冷や汗が伝っていた。
同じだ。あの時と、
クレナイ「もしかして、」
あの雰囲気、ラリスと同格
ーーいや、それ以上かもしれない。
ラリスと並ぶ者はあいつなのか?
ラリス「手紙に書かれている内容は分からん。どの弟子も、我に手紙を見せず、隠しおったからな。」
クレナイ「手紙には、「ラリスは弟子を殺したい」みたいなことが書かれていた。その後に、「俺が...」と書かれていたか、血濡れていて、見えなかった。」
ラリスは、改めて俺の目を見る。
ラリス「まずは、『全学年親善試合』に勝て。そしたら教えてやらんでもない。」
俺はまだまだ未熟。
ラリスの目的はわからない。
知るためにも勝つ。
ーーそれだけだ。
クレナイ「俺は負けない。そんな味なんて知らない。」
ラリス「そうじゃな。もう日も暮れる、今日は帰って休むが良い。」
〜自分の部屋〜
部屋の角にあるベットに飛び込む。家にいる時間だけが、気が休まる。
クレナイ「デスリピア、ラリス、どっちも...」
俺はベットから起き上がり、あるものを見つめる。
そこには、小さな棚。その上は、
クレナイ「じいちゃん、」
棚の上の、じいちゃんの形見でもある刀だ。
俺は刀に触れる。引き込まれるような熱、記憶の熱さは残る。
俺は思い出す。今から40年も前の話。
じいちゃんは冒険者だったーー
~40年前~
組織のしたっぱ「ボス!こいつ、攻撃が当たりま...」
バタッ!
音もせず、目にも見えない斬撃。空気だけがそれに気づく。
???「お前がボスか?」
組織のボス「何者だ!」
大きなローブに身を隠し、刃を組織のボスへ向ける男、後のクレナイの祖父に当たる人物。
“コクエン”
コクエン「この刀で分からんか?。」
組織のボス「っ...ぁ...『静炎の剣士』、」
コクエン「1人の少女が、この施設に攫われたと聞いた。お前で間違いないな、少女を返せ。返せば、命を奪わないでやっても良いぞ。」
組織のボス「ヒイィィ!でっ、では、こここ、こちらへ。」
声の震え。下手すると、瞬きよりも速く切られる、その恐怖心からだろうか。
組織のボスが扉を開く。
すると、部屋の真ん中に、ボロボロで、体が震え、目には一切の光もない少女がいた。
コクエン「大丈夫か?今すぐ、外へ出してやるからな。」
コクエンは優しく声をかけた。だが、少女は怖がっていた。
バタン!
鈍い音と一緒に、いきなり部屋が真っ暗になる。
組織のボス「...お前の慈悲が、自分の首を絞めたな!」
ブシュウウ、
部屋の四隅から緑色の煙が上がる。毒だろう、
コクエンは、すぐさまを構える。
コクエン 「【守護の型•絶縁奥義】、少女は死なせない。」
コクエンは、刃の先を地面に叩きつける。
鮮やかな赤色のオーラが、コクエンと少女を包む。
少女「!」
少しして、煙が収まる。
ドン!
また鈍い音が響き渡る、
ーーと同時に、空気が凍てつく。
組織のボス「な、なぜだ!なぜ立っておられるのだ!」
部屋の真ん中で、息一つ乱れていない、コクエンの姿があった。その手には、少女が抱かれていた。
少女の目は少し輝きを取り戻し、口は笑っていた。
コクエン「少し目を閉じていてくれ、」
少女は、コクエンの指示を正直に聞く。
コクエン「人様の慈悲を踏みにじって、お前もあいつと同類か、」
組織のボス「違う!その、これは違くて!」
必死に抵抗する。それを見たコクエンは深呼吸する。
組織のボス「(くそっ、なぜ魔力が使えない!?)」
コクエン「聞いたことあるか?海老で鯛を釣る”って、喜べ。釣れたのは、“鮫”だ。」
コクエンは、少女をおろし、一瞬にして姿を消す。
組織のボス「消え、た?なんだ?天地が逆さ、」
ボト、
コクエン「お前に、魔力を使うのも、勿体無いな。」
少女が聖女だったらしく、その後、じいちゃんは、その少女に親がいない、帰る家もないと知る。
だから、彼女がやりたいことを聞いた。
彼女が言ったのは、
「旅がしたい、終わりもなくていい、無限でもいい、終わりを決めるのは、人間じゃない、宇宙なのだから、」
俺が生まれてすぐ、じいちゃんが亡くなった、という知らせと共に、一本の刀が届いた。
一通の手紙と一緒に。
手紙には、孫にやると、書かれていたそうだ。
クレナイ「じいちゃんは...」
そう、俺しか知らないーー
クレナイ「いや、今は関係ない。じいちゃんが、何をしてようと...」




