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2話 チビ達団結する

このお話はフィクションです。

架空の会社や地域、個人的な思考が出て来ます。

実際の社会とは、何の関わりもありません。

私の知識が足りない部分はファンタジー♬だからか!と生暖かく見守って下さい。

「……ま、いろいろあって神様の元で働くのを条件に、苺花の子供食堂を手伝っていいと言われて働いてるが、材料費と野菜の安価での入手に困っている。良い提案はないか?」

隼人がそれを引き受けてくれた。隼人は、20才で広大な畑を持つ駆け出し農家だ。

 いわゆる豪農の御落胤だったらしく、東京ドーム1個分の放棄畑を縁切りにもらって、困っている卒業生だ。

 まだ、スーパーなどで、売れる形の物を育てられないようで、直売所に安~い値段で置いても味が無いと見向きもされないらしい。

 他の卒業組と話してる間に作った野菜を持って来てもらったが、笑えるくらい味が無い。ナスなんか、ただのスポンジだ。

 唯一、味があるのがジャガイモ。

猟師の賢人が狩ってきて捌いたイノシシの肉で夏野菜の甘口カレーを作る。付け合わせにピーマンのお浸しを作って精霊界に帰ると、アッサム様がカレーに食パンをちぎって付けて食べていた。

「お米はイヤでしたか?」

『食べられちゃってね。これしかないんだ』

そのおかげか、光球だったチビ達はお腹をこれ以上入らない程、脹らませて3才児サイズで幸せそうにベッドで眠っている。

 その中の1人の精霊が起きてきて片言で話し始めた。

『サチル、まりょくアマい、おいしい!』

????俺が何だって?

『ヤサイおいしくない!キライ!なおす!サチルのごはんずっと、おいしい!ミンナ、うれしい!』

『おやおや、地球に行きますか?』

すると茶髪の精霊は両手に一人づつの仲間の足を引きづって来た。ワイルドだな!

『コイツらも!』

すると茶髪と水色の髪、金の髪の精霊は俺に名前を付けろという。

 名付けは散々して来たから任せておけ!

茶髪に緑の目の精霊は賢くなるように「オークス」と、名付けた。樫の木は森の長老って感じだよな。

しかし、魔獣のオークみたいでイヤだと抵抗されて幾つかの候補の中から「グラース」になった。

 アッサム様がグラースにデコピンする。

『野菜畑でグラースが真名では、蔓性の物、作れてハーヴや雑草系の手間要らずの野菜の育成がせいぜいです!オークスは確かに向いてませんでしたけどグラースの100万倍マシでした!!』

誤爆された。

 イメージではなく、実を選べ!か。

髪と目で何の精霊か、辺りを付けて水色の髪と黒い目の精霊には【慈雨ジウ】、金の髪に緑の目の精霊には【恵豊エホウ】と名付けグラースがボクもソレがよかった、って暴れていた。

「グラースには、グラースにしか、判らないお野菜の機嫌が判るさ。へこむなよ?」

『ホンチョ?!』

「ああ、本当だとも」

信じたらお目々がキラキラになる。可愛いなぁ。俺に子供がいたら、こんな感じだったのかな!フハハハ、5000倍お得だ!可愛がり放題!頭を撫でていると段々グラース達が成長してきた。15才くらいの見た目になると何と耳の尖った美青年になった。

思わずポカンとしているとアッサム様に3人は日本に転移させられた。

「アッサム様!?今のは何ですか?!」

「ああ、観たこと無いよね?エルフになったんだよ。退化したの」

「……ひょっとして俺が困ってたから?」

退化って結構なこと、だよな?

 どうしよう!?チビ達が攫われたりしたら!

『落ち着きなさい。チビ達は少なくとも、幸留さんより強いですよ?370才ですから』

「え?」

『370才です。他の子も、その調子でお願いします。今日はもうお疲れでしょう。おやすみ下さい』

空いたベッドに案内されると、やたらと眠くていつの間にかふわふわの綿布団に体を埋めて目を閉じた。


◆○◆○◆○side隼人

金髪に緑の目のエルフが3人雇えと親切の押し売りにきた。

「金無い!帰れ!」

14回目にやっと伝わったらしい。

3人でヒソヒソ内緒話してたかと思ったら、やや、茶髪気味のエルフが勝手に【ダイナミック農園】に入って行って東京ドーム1個分の耕作地を半分クローバーだらけにしやがった!

「テメェ!!もう許さないぞ!」

ブチ切れて殴ろうと拳を振り上げたら、後ろから誰かに手首を捕まれた。

「バカ?アンタ農家のクセして緑肥も知らないの?」

 俺が姉と慕う苺花だった。

「緑肥?……何だ、それ?」

その間にも苦労して作った枯れかけの夏野菜達が引き抜かれて燃やされる。

「だぁあああ!?もう許さないお前ら!」

「だから、隼人はバカ過ぎるから、私と勉強ね?」

「俺が馬鹿だからといって野菜畑を荒らしていいのかよ?!苺花姉ちゃん!!」

苺花姉ちゃんを振り切って野菜廃棄処分現場に行くと俺が1から作った苗が全部無い。

 悔しさでいっぱいになる。

「お前らに何の権利があって、こんな事するんだよ!」

金茶の髪のエルフが土を片手にすくい上げて、俺に差し出す。

『ツチ、エイヨウない。ツクったヤサイおいしくない』

え?何だって?!

土が悪いから、野菜を幾ら作ってもダメだったってのか!?

金茶の髪のエルフの手首をつかんだ。

「オイ!お前、どうしたらいいんだよ?!」

スパーン!!

苺花姉ちゃんに思い切り後頭部を叩かれた。

「頼み方、ってもんがあるでしょ!それじゃ借金取りじゃない!手首放して、土下座なさい!」

苺花姉ちゃんの言う通りにしたら、畑を整えるのはエルフ3人でやるから、種を大量にいろいろ用意して欲しいという話になった。

 同時に腹が鳴る。

苺花姉ちゃんがエルフ3人と俺を連れてイチゴ子供食堂に行く。

今日は照り焼きチキンサンドイッチで、飲み物はミルクだった。

 どうやって調理しているのか謎なシャキシャキのモヤシとかいわれ大根が思い切り詰め込まれた照り焼きチキンサンドイッチは、4つ食べるとさすがの俺ももう何も入らない。

グラースとジウとエホウは無限バクバク食べていて、夕食に作った分のブラウンシチューにまで魔の手(?)を延ばそうとしている。

 猟師の賢人がジョッキにバナナジュースを作ってやって、何とか夕食は守られた。

 さすが、賢人!世話焼き。

「ちょっとお前の実家まで行くぞ!隼人。30分後にスーツで畔池駅改札前な!」

賢人は実は敏腕弁護士だ。

 誰もが知ってるハンバーグチェーン店の顧問弁護士の一人だ。

髪をワックスで撫でつけ、俺も御落胤らしく見えるようにヒゲを剃り化粧水を叩いてお終い!

 俺に何やらせるつもりかな?


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