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山奥でのびのびと暮らそう!  作者: これんぎ
2/2

悪魔との出会い

なにかに(もた)れ込むように俺は倒れた。


――――――――――――――――――――――――――


「ぷはっ」


んんっ?なんだ!?食道を食べ物を通る感覚を感じる。それに目の前に気配も感じる。何が起きているのか気になるので俺は目を開けた。


「誰だ!?お前!」


俺の目の前にいたのは人間に似て似つかない女?目が赤い、それに耳も少し長い。そして牙が生えている。まるで悪魔、いや、本物の悪魔だ。


「私か?」


「お前以外いないだろ」


「そうか、私はマリーだ。お前は?」


「俺は、名前・・・忘れた」


「忘れた?まあいい。それよりなんでこんな場所で倒れていたんだ?」


「気づいたらここにいて腹減って倒れた。それだけ。それと飯食わしてくれてありがとう。口移しは病気とか移りそうで怖いが」


「失礼な!この美少女悪魔のマリー様が口移しをやってあげたんだよ!喜べよ!」


「いやでもお前、見た目のわりに年取ってそうだし。自分のこと美少女と言うし、バカそうだし」


俺がそう言うとマリーは下を向いて


「わたしはまだ若い。わたしはまだ若い。わたしはまだ若い。ワタシハマダワカイ。ワタシハマダワカイ。ワタシハマダワカイ」


と言っている。


「美少女悪魔のマリーはまだ若いのできにしないでいい。だからちょっと黙れ。うるさい」


「ひどい・・・」


「それでなんで俺を助けたんだ?人間と悪魔、仲良くしているようには思えないが」


あのおっさんの話を聞く限り人間は悪魔に脅えている。


「君の血を吸うためだ。私はあまり人前に出れないだからこうやって山に紛れ込んだ人間を攫って血を吸う」


「ほう、かなりやり方が汚い犯罪悪魔だな。まさか既に俺の血を吸っている訳ではなかろうな?もし吸っていたら…」


「まだす、すってないです!あともし吸っていたら何するつもりだったんですか!その怖い笑顔でこっちを見ないで!」


「そうかそれは良かった。もし吸っていたら、お前を引きずってランニングするところだった」


「だからその笑顔で怖いこと言うのやめて!」


「しかし"まだ"?ということはこれから吸おうとしていたのか?」


「やだなー。そんなわけないじゃないですかー。はっはっは」


「怪しいな。まぁいい聞きたいことがある」


「なんですか?」


「悪魔が生まれたのはいつだ?」


「生まれた時は分からない。だけど1億年くらい前に悪魔の王が誕生したんだ。その時から悪魔は数を増やし100億の悪魔が誕生されたと歴史の教科書に書いてあったよ」


「じゃあ今も100億の悪魔がいるということか?」


「いや、悪魔は元々太陽系から随分と離れた、ゾフトラス星という星に住んでいたんだ。そして今から約4000万年前ゾフトラス星では悪魔同士の争いが起きた。その争いを止めようとしたある1人の悪魔が、争いに関わりのない悪魔たちを宇宙船に乗せて悪魔の住める惑星を探しそこに行った。それがここ地球だ」


「ってことはそのゾフトラス星にはまだ悪魔たちが争っているというわけか?」


「争いは更にエスカレートして悪魔たちはゾフトラス星を破壊した」


「自分たちで自分たちの星を破壊したと?」


「そういうこと」


「まだ聞きたいことがあるいつ地球に来たんだ?」


「今から300年前かな」


「今は西暦何年だ?」


「知らないの?2043年だよ」


俺が死んだのは2040年。でもその時に吸血鬼など見たこともないし聞いたことない。別の地球にでも来てしまったのか――


「前に出会ったおっさんが血を吸って仲間を増やすと言っていたが真実か?」


「違うね。悪魔は人の血を吸うのは事実だよ。名前通り。でも仲間を増やすは違う。人間の血は悪魔とってすごい効果があるんだよ。力はすごく強くなるし、身体能力etc...。そのくらい効果があるんだよ。悪魔は強さが全てだし」


「ではなぜ悪魔は血を吸うと増えると言われているんだ?」


「それはね、悪魔の牙が人体に刺さるとそこから唾液が入り込む。悪魔の唾液は人間を悪魔に変えるだからだろうね。あと血を吸う悪魔だけではないけどね」


「そうか、話が変わるが白色のチョークはあるか?」


「白色のチョークそんなもの何に使うの?」


「いや機能が制限されていてな」


俺は死ぬ前、前世に体を改造をしていた。否、させられていたと言った方がいいか。改造することによって様々な能力を使うことが出来た。それこそファンタジーに出てくる魔法のようなことも可能だ。しかし現在その能力の大半が使えない。チョークがあれば魔方陣を書いてそこから元の能力を引き出すことが出来る。


「それであるのか?」


「いやあるわけないでしょ!ここは学校じゃあるまいし」


「じゃあ、卵の殻と小麦粉はあるか?」


「それなら普段料理に使うからあるわよ」


「ならばそれを用意してくれ」


「なんでそんなに偉そうなのよ。まあいいけど」


そこから持ってきてくれた卵の殻と小麦粉でチョークを作成した。そして作り終わった頃には夜が明けていた。

早速、魔方陣を書こうと思ったのだが近辺は草が生えていたり砂の場所なのでかけるはずもなく、地面が石またはアスファルトでできている場所を探すことにした。しばらく歩いていると都合よく石出できている平らな地面を見つけた。そこに俺は自分の魔方陣を書いた。ちなみに魔方陣は人によって違う。体を改造することによってその魔方陣を知ることが出来る。


そして魔方陣に血を3滴たらし完了。別に光ったりする訳では無い。これで能力が戻ったはず。

とりあえず、あの悪魔の家に戻るとするか。俺は人を見る眼があると自負している。あの悪魔は悪い奴ではないだろう。


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