能力開花
初めての投稿なので生暖かい目で見てもらえると助かります
この世界には能力というのが存在する。
能力は様々なものがある。
便利な能力やあまり使えないような能力、あるいはものすごく使える能力が存在する。
この能力を悪用し犯罪を犯すような人もいるが、能力を悪用する人達を止める正義の味方のようなことをする人もいる。
そのような世界での能力が不明な少年の物語である____
「お金を出せる能力に生まれたかったなぁ」
そんなことを言い出したのは橘陽葵という16歳の少女だ
能力は未来視だ、数十秒先を見ることが出来る
「そんな能力を陽葵が持ってたら世界が終わるかもな」
そんな適当な返しをしているのが僕こと彼方蒼依同じく16歳の少年だ
能力は不明。だから無能力者と同じ扱いを受けている
能力が不明だからなのか、学校側はここに居させたいらしく学校に通っている
この学校には2つのシステムがある
1つ目は相棒というシステムだ。僕達みたいに男女1組で組むというのが相棒というシステムで、もう1つがクラスシステムというもので、ABCDとクラスがあり1番上がAで1番下がDだ。ちなみに僕達はDクラスにいる。
僕は能力が不明で無能力者と同じだから、他の能力者に最弱と罵られている。
そんなこんなで寮に戻ってきていた。寮は相棒との相部屋だ。
依頼というのがあり依頼をこなすとその日はもう休みという最高のシステムだ
そして僕達は依頼をこなしたので寮に戻ってきたわけだ
「眠いし昼寝するかぁ…」
そんなことを言ってるといつの間にか寝てしまっていていつもの時間より少し遅れてしまった。
いつもの時間とはこの事だ。
「今日は遅かったわね」
この人は安西恵理という女だ。
能力は薬を作る能力だ
この学校の養護教諭をしていて、この人の作る薬は必ず治る薬を作ると言われている
「昼寝をしてました」
「次からは遅れないようにしなさい」
「分かりました。」
そんなことを言ってる間に診断は終わっていた
「はいっ異常無しよ」
「いつも通り能力も不明ですか?」
「……そうね、いつも通り不明よ」
「ありがとうございました、明日また来ます」
そう言い残してその場を後にし、寮へ戻った
「不明ってことは一応あるってことだよな?いつか使えるようになるのかな」
これが僕の日常だ。
次の日陽葵がまた勝手に依頼を受けていた
いつもは探し物など、簡単なものだったのだが今日は公園で人殺しをした能力者の捜索という危ない依頼を受けていた
「なんでいきなりこんな危ない依頼を受けたんだ?死んだらどうするつもりだ」
「私が守るから大丈夫大丈夫!」
「陽葵の能力でどうやって僕を守るんだよ…」
「昔空手やってたから任せて!」
そんなことを言い、腕を交互に突き出しこちらを見てきたので、それを無視して歩き出した。
そんなことをしているうちに依頼の場所までやって来ていた
「これどうやって探すんだよ…」
「私の能力で探すんだよ!」
「陽葵の能力10秒先しか見れなかったよな…?」
「そうだけど?」
これは自力で探すやつだなあと心の中で呟いたのだった。
それから30分が経ち諦めかけていると、公園の茂みから犯人と同じ服装をした人が飛び出してきていた
陽葵が能力で分かっていたのか、先読みして蹴りを入れていた
「うぐっ……」
そんなことを言いながら倒れ込む犯人だったが、犯人の手からいきなり銃が現れて、こちらに向けながら立ち出した
「こいつの能力ってもしかして武器を生み出すのか!?」
そんなことを言ってる間に撃たれかけたその瞬間、陽葵が僕を掴み、一緒に投げ出された。
僕が死にかけたのを助けてくれたのだと分かるのに1秒近くかかった。
そして、陽葵が立ち上がり、銃を蹴飛ばして犯人のお腹数発殴り気絶させて、今回の依頼は終わった。
寮に戻り僕はずっと何も出来なかったことを悔やんでいた。そしていつもの時間になり僕は安西恵理のいる場所へと向かっていた
「随分と悲しそうな顔をしてるわね」
「今日色々あって元気がないだけです。」
「知ってるわ、一応この学校の教師だからね」
「そうでしたね、そんなこといいんで早くしてください」
「分かったわ」
そして診断を始めて十数秒が経ちこんなことを言われる
「能力が…宿ってる……」
「えっ本当ですか!?」
「ええ、本当よ。でも能力の意味がわからないのよ」
「能力の意味がわからないですか…?どんな能力ですか?」
「デメリット変換能力」
「どういうことですか?」
「私にも分からないわ。今は一旦様子見ね」
「分かりました、また明日来ます。ありがとうございました」
そう言い残し自分の部屋へ戻った
「デメリットを無くす能力ってなんだ…?」
そんなことを考えていると、陽葵が口を開いた
「能力が宿ったんだしそんな深く考えることないよ!」
「いやまあそんなんだけどさぁ…」
「今日は疲れたしもう寝よ!はい!ベット行って寝よ!」
「わかったから押すなって…」
そう言いながら、それぞれのベットへ入り眠りについた2人だ。
それから次の日もそのまた次の日もこの能力については何もわからずただただ時間が過ぎていった。
そして能力が宿ってから1ヶ月が過ぎたころ陽葵がまた、殺人の依頼を受けていた。
「1ヶ月に1回は危ない依頼を受ける決まりでもある?」
「今その決まりを作ったんだよ!」
とドヤ顔で言ってくる陽葵に僕は
「僕無能力者とほとんど変わらないんだけどなぁ」
と返すのだった。
今回は街中での人殺しの依頼だったまた僕達は犯人を探し、今回は1時間かかってようやく見つけた。陽葵と手分けして探していたので電話をかけようとするとその電話からけたたましく「プルルルルル」と大きな音が出る。
犯人に聞かれたらしく、鬼の形相で僕の方を睨みつけてくる。そして僕は見つかり、無能力者だから逃げるしか無かったが相手は移動系の能力を持っていて、いつの間にか距離を詰められていて僕は驚いて後ずさり、体制を崩したのが運良く相手の殴りを交わすことが出来た。
相手は何度も何度も距離を詰め、殴りかかってくる。
そしていつの間にか倒れ込んでいた僕に馬乗りをして笑いながら顔を殴られる。そして頭の中に思い浮かんだのは1つの言葉『死』だった___
だが次の瞬間自分の手から剣が現れて、困惑していると相手がその剣を見つけると能力を使い素早く、距離を取った。
その一瞬で僕は相手の腕に切り傷を付けていた。
「お前…反応速度が早いな…」
相手が怯んでいる隙に距離を詰めようとしたが、能力ですぐ距離を取られる。
よく見ると相手のすぐ後ろに陽葵が居ることに気がついた
陽葵がこちらに気づきこちらへ全速力で走り込んで来て、相手が気づいてないのをいい事に後ろから蹴りを入れる。
そして僕がその隙に距離を詰め、剣を相手の首に少し当てて降伏させた。
そしていつも通り学校側へ犯人は預け僕達は寮へ戻った
「あんな剣いつから持ってたの?」
と陽葵が尋ねてきたので僕はこう返した
「いつの間にか手に剣が握られてたんだよ」
すると陽葵が
「もしかして能力かな?」
「その場合僕能力2個あることになるんだけど……とりあえず今日は早めに安西先生のところ行ってくる」
「わかった!」
「晩ご飯は先食べといて」
そう言い残し、安西恵理のところへ向かった
いつも通り診断が終え、安西恵理が口を開く
「能力が増えてるわね…」
「能力って2つ宿ることってあるんですか?」
「本当に稀なケースだけどあるわよ」
「あるんですね…」
「ちなみに能力は剣生成よ」
「剣生成…ですか、1ヶ月前に捕まえた犯人の銃生成と似てますね」
「原理は同じだわ、体のエネルギーを使い物を生み出す能力ね」
「体のエネルギーですか?」
「ええそうよ、剣を出したあと疲れなかった?」
「いえ、全く疲れなかったですね、むしろいつもより身体能力が高くなりました」
「もしかするともう1つの能力のデメリット変換のおかげかもしれないわ」
「体が疲れるというデメリットを身体能力が高くなるというメリットに変換したってことですか?」
「その通りよ、でもあまり剣生成を使わない事ね」
「何故ですか?」
「剣生成を使うと強制的にデメリット変換が使われるってことは能力を同時に2個使ってる様なものよ、いくらデメリット変換とはいえ体にガタが来るはずよ」
「分かりました、気をつけますね」
「じゃあ今日は部屋に戻りなさい」
「ありがとうございました、また来ます」
その後すぐ寮に戻った。
そして、次々に依頼をこなし、僕達はCクラスへと上がれたのだった。