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19話 大コウモリの集団攻撃

 北の大コウモリの洞穴の出入り口の周りには、丸太小屋が立ち並び、人間や獣人族を殺した肉を干し肉にしたり、所持していた刀や槍や弓を、綺麗に修繕して武器や道具として使う様になっていた。

 大コウモリは、単独行動から集団で行動して、一時は大成果を上げて、人間の獲物を手に入れて喜んでいたが、エルフ族を含む弓隊の前に何度も、何の成果も上げられず、鹿や猪とたまに農作業をする農民を捕まえて食いつなぐ日々を送っていた。

 そんな、2万匹の生活の環境で、知恵の付いた大コウモリの中で魔法量の多い雄雌が引かれ合い交尾が繰り返していき、魔法量も強く武器の扱いも上手な少年が育った。

 名前をヒデルと呼ばれ、ヒデルは人間に変身する魔法を発見した。

 ヒデルは魔法量の強い同一世代の仲間に変身魔法を教えて、人間族に潜入して内部から少しずつ目立たない様に人間刈りを始める計画を立てていた。


 その一方で、魔法量も少ない、おバカな大コウモリ達が交尾を繰り返して、暴れん坊のその日暮らしの集団も増えていき、洞窟内での暮らしに我慢の出来なく成った彼らは、美味しい新鮮な人間の肉を求めて、集団で武器を持って北の町エキゴサイトへと向かって行くのであった。


「ヒデル先生、おバカな大コウモリ達が出て行きました」

「そうか、気にするな、我々と彼らとは別の種族に別れたのだ」

「はい、私も同じ意見です、あいつらに怪我を受けた仲間が数多くいます、出て行って助かりました」

「そうだ、人間達に恩を売って人間社会に潜り込むチャンスが来たと考えよう、変身魔法で町に侵入して人間生活習慣を勉強している仲間達に会いに行く、お前、いやユウシン留守を頼むよ」

「了解です、お気を付けていってらっしゃい」


 ヒデルは、上空高く飛び、彼方此方で道草をするおバカな大コウモリ達3000匹を下に見ながら、先に北のエキゴサイトの町に到着した。

 ヒデルはコウモリにしか聞こえない超音波で

「聞こえるか、私はヒデルだ、集まってくれ」

「ヒデル先生、聞こえます、今行きます」

と、応答が次々有り、6人の青年男女が集まった。

「どうだ、人間達と仲良くなれたか?」

「はいユウカがギルドで身分証明書を作る情報を持ち帰って来たので、全員仕事にありついています」

「ラデル、報告ありがとう、私が一人暮らしの爺ちゃんから聞きました、ついでに爺ちゃんの家で暮らしています」

「そうか、良かったな今日来たのは、間もなく暴れん坊の大コウモリ達3000匹がこの町にやって来る」

「ゲー、折角この町に溶け込んだのに、町を破壊されたら今日までの努力がパーだよ」

「みんなよく聞け・・・」

「・・・と言った計画だ」

「そうですか、やりましょうラデルとユウカは騎士隊本部に駆け付けて大コウモリの集団行動を報告に行きなさい」

「ユウマとリーデルはギルドに行って報告だ、報告が終わったら、その場の指示に従って行動しなさい」

「私とルーデルは、遠巻きに最適な人助けの指示を出す、ルーデルは、ラデルとユウカのサポートに回れ、2人に危険が迫ったら直ぐに助けなさい」

「了解です、ヒデキ」

「では、ヒデル先生見ていて下さい、活動開始行け」


 騎士本部もギルドも全員集合の指令が出た。

 ラデルとユウカは騎士隊と一緒に北へ向かいユウマとリーデルはギルドの役人と行動を共にして北へ向かった。

 最近、エキゴサイトの町の騎士本部に常駐する様に成った鷲族の飛行隊員のヒューマは、本部長の指示で王様(騎兵隊総本部)へ報告に飛んだ」


 后のミミリアから昨夜(北の町に悪の集団が迫っています)と報告を受けている王様は、ロロ王子に相談して、朝からララ、リリ、ロロ、ターラ、ジャガ、ギギル、ガガラ、7名が飛行船の周りに集まって来た。

 エルフのギギルとガガラの使う弓の矢も大量に積まれた。

その他にも、肉や野菜やパンの食料と鍋やフライパン等の調理用品と調味料も積まれた。

 エルフのトググは、北の村に頻繁に起きる人食い大コウモリの退治にエキゴサイトの町のギルドですでに活躍していた。

 そんな、準備万端な王様の所へ総司令官長と鷲族のヒューマが北の緊急事態を知らせに来た。


 飛行船は、鷲族のヒューマを含めて飛行隊長、副隊長、今日当番であったトンバを含めた、人数11名に御后様から王様と普段毎日服用している栄養ドリンクが手渡された。

「みなさん、魔法量のアップする栄養ドリンクです、この場で飲んで頑張ってきて下さい、後はララ頼みますね」

「分かりましたお母様、みなさん頂きましょう」

 皆が飲み干すと、飛行船に乗り込んだ。

「トンバさん、途中に最初の北の山を越えると草原が有ります、そこで仲間が乗ります、着陸して下さい」

「分かりました、近づいたら指示して下さい」


 飛行船が草原に着陸すると、中間付近の湿地帯から朝からここまで走って来たオオカミのボスが乗船してきた。

「OKです、出発して下さい」

 飛行船は上空から、ロロ王子とトンバが内緒にしていた、トンネル飛行で、あっという間にエキゴサイトの町の上空にいた。

「他の者達は、オオカミの眼光に怯えて放心状態であった」





 


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