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第2話 双子の魔法使い

都内某所のビル


「ねぇアナタは何回私達を呼び出すの?」

「ねぇアナタは何度私達を困らせるの?」


二人の少女が黒いゴスロリ服をばたつかせながら自分達の保護者に聞いた。


「お前らがロクな事しないからだろうが」


男は困ったように答えた。

その答えに少女達はもう一度質問をした。


「ねぇアナタはそんな事を言うために呼び出したの?」

「ねぇアリス。今日の予定はどうしましょうか。温泉にでも行きましょうか?」


アリアは既に興味を無くしている様で今日の予定をアリスに聞いていた。


「あのさぁお前らよぉ。いつまで戦争を続ける気だよ……死んでも知らねぇぞ?」

「死ぬときは負けた時よ?」

「負けたときは死ぬ時よ?」


男は溜め息をついてこの子供達を預けてきた親友を思い出す。


「……世にも珍しい双子の魔法使いだと聞いて引き取ってみたらとんだ暴れ馬だったな」


少女達はその言葉を聞いて不機嫌に頬を膨らました。


「引き取ったアナタが悪いのよ。ワタシはアナタに言ったわ。私達は言うこと聞かないって」

「そうよアナタが悪いのよ。アリスとワタシは悪くないわ」


男はもう一度溜め息をついて。用件を話し出した。


「お前らに頼みたいことがある。今回の戦争に参加してる魔法使いの一人を救ってほしい。今回呼び出した用件はこれだ」


アリスは溜め息をついた


「馬鹿じゃないのアナタ。私達は優勝するために参加しているのよ?救うなんてするわけないじゃない」


アリスは即答した。男もそりゃそうだと思った。優勝するつもりがないならこんな頭のおかしい戦争に参加する訳がない。


「まず、アナタは前提を間違えているの。さっき私達は言うこと聞かないって言ったでしょう?」


アリアはアリスの手を繋いでもう部屋から出ていこうとしている。

男はまた溜め息を吐いて少女達が絶対に言うことを聞く言葉を言った。


「…………お前達はまだ俺に借りがあるよな?今回の用件を前向きに考えてくれるだけで良い。それだけでなしにしてやる」


少女達は帰ろうとした足を止めて男の方を振り向いて不機嫌そうに頬を膨らました。そして地団駄を踏みはじめた。


「それは卑怯よ!卑怯だわ!!パパとママとの約束で断れないのを知っているアナタがそれを使うのは卑怯だわ!!」

「そうよそうよ!卑怯だわ!!アナタもやっぱり卑怯な人だったのね!!」

「それじゃあ……頼みを聞いてくれるな?」


二人はいじけたようにそっぽを向いて頷いた。


「卑怯な人は嫌いだけれど借りがあるのは本当だから仕方なーーーく協力するのよ!」

「本当の本当に仕方なくだから勘違いしないことね。あと、これでもう借りはないわよね?」

「ああ。もう貸しはない。これで最後だ」 

「そう……それは良かったわ」


少女達は安心したように手を繋ぎ直した。


「やれるだけの事はするわ。だけど私達が殺されそうになったら殺すわよ。それで良い?」

「それで良い。もしお前たちが殺されたらアイツらに会わせる顔が無いからな」


するとアリスはクスリと微笑んだ。


「やっぱりアナタは卑怯な人ね。パパとおんなじ位に律儀だわ」

「ハハ。アイツにも同じ事言われたよ」


そう言うとアリスはドアに手をかけながら出掛けるときの挨拶をする。


「それじゃあ私達は遊びに行くわ。パパとママによろしくね。保護者(お父さん)


そう言ってアリスはいつまでも機嫌を悪くしているアリアを引っ張って部屋から出ていった。

そして男は少女達の前では吸わないと決めた煙草を取り出して吸い始めた。


「…………俺にその呼び方は似合わねぇよバーカ」


男は机の上に置かれた一枚の紙を見て煙を吐いた。ここには居ない少女達の無事を祈って

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