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導入
「ご飯よー」
母の声で目覚める.
食事を食べにリビングに向かう.
「今日のおかずこんだけかよ.」
「仕方ないでしょ.うちは配給で暮らすしか無いんだから.」
小型原子力発電装置を見て,自分の状況を見つめなおした.
長年の人類の研究により,
人工知能やロボットが発達したおかげで,
多くの産業で生産性が飛躍的に向上した.
そんな時に現れた
Everyday Life Support(ELS)社は
発達した人工知能やロボットを用いて,
世界中のほぼ全ての職を人類から奪った.
僕ら家族は皆ELS社に所属している.
仕事は人工知能とロボットを動かす電気のために,
自宅に原子力発電装置を設置しておくことと
ごくまれに人工知能やロボットの整備をすることだ.
整備と言っても,数個の命令をして正常に動くかを確認するだけでよい.
そして,ELSに所属していると,住む場所をいくつかある中から選択し,
食べ物と衣類が無料配布される.
そして,電気、ガス、水道などのインフラも制限はあるが,無料だ.
即ち,ELSに所属している限り,
人間は一生働かなくてよいのだ.