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花火  作者: 夏の竜星郡
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~再開~

キーンコーンカーンコーン

夏休みの学校に終わりを告げるチャイムが鳴り響く。

今日は午前授業だけ。生徒達は急いで帰る支度をして教室を出ていったり、この後どこに遊びに行くかを相談しあってる中で僕は窓際の自分の席でずっと外を眺めていた。

僕の名前は佐々木涼介。高校3年。平凡な日常を好み、暇な時は外を眺めるのが癖になっている。

今日も何気なく外を眺めていると近くで喋っていた女子達の会話が耳に入ってきた。


「ねぇねぇ、今日のお祭りに浴衣着てこうよ!」

「いいねぇ!そうしようよ!」

「えー、あたし持ってないよぉ」

「じゃあ、これから買いに行こ!今からならまだお祭りに間に合うし!」


そう、今日は夏の終わりに開かれる大きな祭りがある。屋台なども多くあり、色々な催し物があることから有名な祭りになっている。

その中でも一番人気なのが祭りのフィナーレとも言われている打ち上げ花火だ。

僕は毎年誘われるのだが、断っている。今年もまた誘いの声が掛かった。


「なぁ今年こそ行こうぜぇ。」


こいつは近所に住んでいて同じクラスの田中政司。小、中、高と同じ学校に通っていて親友である。


「祭りかぁ…。今年もやめとこうかな。」

「またかよ!」

「悪いな。」


毎年この日になると同じ会話になる。


「じゃあ今日夜にお前の家に行っていいか?」

「それは構わんが、何かするのか?」

「お前の家から花火を見る!」

「は…?」


胸を張って言われてもなぁ…

僕が住んでるのは15階建てのマンションで、家は最上階の15階なのだ。ベランダからは街が一望でき、花火も綺麗に見える。


「別に来てもいいが、花火見るなら河川敷に行けばいいじゃないか。あそこならうちで見るより迫力あるだろ。」

「彼女がない俺に1人で行けと?」


何か理由があると思ったが、やっぱりそれか。

そう思いつつ6時にうちに来る約束をして、席を立ち教室を出た。

校門で政司と別れ、家に帰る途中で近くにある河川敷に寄った。

土手の階段に座り、辺りを眺めていると7年前ここで好きな女の子と花火を見たことを思い出した。

その子とは祭りの翌日引っ越してきり会っていない。その子について覚えてるのは川上優姫という名前と髪にいつも付けてた淡い青色のリボンだけだ。


「優姫ちゃん、元気にやってるかなぁ。」


そんな事を考えながらいると、ふと河川敷を歩く女の人に目がいき、その女の人の姿に目を疑った。

女の人の髪の毛にあの淡い青色のリボンがついていた。

この時まだ自分の人生を左右する選択をしないといけないことなど考えてもいなかった

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