理解
うーんと腕を組んで伸ばす白神。
ぴょんっとソファーから立ち上がり、指先をぱちんと鳴らす。
微かな空気を切る音が耳に聞こえ、瞬きをするいのり。
すると、その間に場所が変わっていた。
赤いカーペットが廊下に敷かれ広々とした廊下。真上には、ガラス張りの天井。白を基調としたドアが一定のスペースを空けて真横に並んでいる。
「ほれ、これが部屋の鍵だ。無くすなよ?古いのでな、一本しかなのだ」
「……」
白神の手からいのりの手を掴むと、手を返して平には小さな金属の冷たさがあった。
手の平には鈍い輝きがある錆が混じった銅の鍵。
「今のは、白と黒の力。神力って奴のひとつ。瞬間移動というよりは、城が移動させたが正確」
「この居城は微かな自我がある。白と黒だけに感知できるだけで、我々にあまり関係ないですけど。簡単に言うと、白の意思を感じた城が動いたという事です」
「そう、なんだ……」
二人の説明を受けても理解力が追い着いていないので、いのりは空返事で取りあえずその場をしのぐ。
二人もそれを感じでくれているようで、優しく両肩を軽くポンポンと叩いた。
(理解できない)
(理解してないですね、無理もない。それが正しい反応……。私も染まりしましたね……)
「開けてみようか」
鍵と同じようにドアノブと鍵穴にも錆が混じっている。
回すと器具の間にある錆が取れ床に落ちる。




