自己紹介
「――何より、先ずは自己紹介しましょうか。この我らの腹かに」
呆然と立ち尽くしてこのやりとりを見ているだけの、二人に全員の視線が集まる。
「……。僕らがそれやるの?」
「向いている人は寝てますし、まぁ簡単に名と特徴を言えば良いでしょう?」
「私がやろうっ!この浮島の主たる私がやらねば誰がやるのだ!」
眼を爛々とさせて、はいっと手を挙手する。
「お願いします」
うむ、と頷く。
「先ずは、お前たちの同胞となるのは、この二人だ」
空といのりの目の前に青年二人を押し出す。
「この深紅の三つ編みが慧冴。この小さいのが知泉という」
深紅の青年は、にっこりと微笑んむ。
小さいという言葉を言った時からむつけている小柄な青年は、愛想なく首だけの礼をした。
逃亡をはかろうとしてる腕を掴み、空といのりの前に突き出す。
「これは黒神という、そして私は――」
柔かな微笑みを浮かべて僅かな間を空け、口にしようとした瞬間に、知泉が素早く言葉を紡いだ。
「格好つけの馬鹿」
「違うっ!」
「白神。双子のように同じお顔ですが別物ですよ。皆、神というのは全く似合わないので白、黒とお呼びします」
知泉の乱入で中断となった紹介を続けたのは、慧冴。
「空は我が連れて行く。それは頼んだ」
成り行きを傍観していた黒神は、空に視線でこちらに来いという意図を見せた。
すると無言で、空はそれに従い黒神の傍に駆け寄る。
「どうせこれから案内するのだ。共に行けば」
「いらぬよ、空は我がする」
突き放すように早口で言い終えると、黒神は空を連れその場を去る。
「空、あれがお前の獲物だ。殺す事を忘れるな」




