腹か
「これも良いじゃん」
「いやいや、わしのこれも」
煌びやかな玉や彫りが施されいる趣向の違う髪飾りを髪にあてがい、商人二人は張り合う。
「そんな高価なものいらないし、時間ない」
色とりどりの着物を身体にあてがいながら、小柄な青年は商人たちを睨みつけた。
「早く!この子だけじゃないんだからっ!」
「うるさいじゃん、融通がきないじゃん」
「いのりにこちら、空にはもっと質素なもの。衣は、紅色か淡い色のほうが良いでしょう」
慌しく髪は結い上げられ、着物を着せらてあっとい間に正装に整えられた。
「汝らに、この地に生きることを許す。その血を残すことを許す」
跪いている二人の頭上にほのかに光る白い花冠が乗られた。
「いのりと空、新たな我が腹かを歓迎しよう」
その言葉と同時に頭上にある白い花冠は静かに崩れていくと、首筋に冷たい感触と胸元に重さを感じ、胸元を見る。
作りはシンプルなペンダントが静かに煌めく。
「面倒なことは終わった。私がこの我が家を案内してやろうっ!」
意気揚々と拳を上げて力強く一歩を踏む出したが、背後から両肩を掴んだ掌がそれを許してはくれなかった。
「待て、そなたはやる事があるだろうがっ!」
「しかし、二人だけに任せて良いのかっ?もしもの事があったらと心配でな、この小さな胸を痛めているのだ、私はっ!」
胸元で尻尾のように揺れている深紅の三つ編みを払いながら、にっこりと微笑む。
「思ってもないことを言わないで下さい、放浪したツケでしょう?ちゃんと払って下さい」
「その意見に賛成」




