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幼子
羽根が翼となり、羽音をたて掌に運んでくるとそっと持つ。
「愛しい、愛しい私の子。目覚めろ、生きろ。残りの世を」
魂の中心から皹が入っていき、亀裂となら広がる。
ぱ、きんと。硝子細工が割れるような金属音が響く。
真っ白な魂が甘い香りを鼻腔をくすぐった。
「種は蒔かれ芽が芽吹き、花となり身となる」
恒星のような煌めきが掌から溢れる。
その中心には、小さな影。
影は大きくなり、胎児、赤子と成長を一気にとげていく。
赤子から幼児となりそこで成長は停まる。
そして、音もなくゆっくりと腕の中に降り寝顔を覗く。
「こんな幼子だというのに。ここに来たのか……」
こつんと、幼児と瞼を閉じ互いの額を合わせる。




