魂
水面をそのままに張り付けたような内装の通路。
ど、くん。ど、くん……。
心臓の鼓動に似た鼓動が多少のばらつきがあるが、音は同じ様に鳴って打つ。
それは、また死んでいない証。
ぼっぼっ──と台の上にある蝋燭にはひとりでに炎が勢い良く次々と灯っていく。
それと遅れて一人分の足音が響く。
白を体現したような、その容姿は灯の色に少し染まっている。
(遅い……)
ど、くんとまた鼓動が鳴り響く。
星龍の鱗から作られたとされる特注品の容器。
鼓動を打つそれが納められていた。
弱々しさを感じるものや強さを感じるもの。
類似しているものはあるが、同じものはない。存在はしないのだ。
それは、魂と呼ばれるものだ。
掌に淡い色合い七色の煌めきが灯る。
「私が命ずる。生の染まりを解く──それを許す」
ノッキングするような動きを繰り返し、形の良い唇から吐息がかけられた。
そして、無数の羽根となり吐息は風となりそれを運ぶ。
魂に溶けるようにして触れたところから静かに消えていく。
この場所にある魂は、生世の気持ち──恨みなどの感情が濃いためそれを抜ていく。
ほったらかしにしていたために、この場所にある魂は物凄く多い。
羽根が触れた時、強い鼓動が耳に届く。
雛が孵化するように、強い煌めきが魂から溢れて周りを照らし出す。
「──一つ還ったな」




