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変化
中庭を突き抜ける渡り廊下に差し掛かると、複数の声と幼い人影が柱の間から見え隠れる。
「遊んで!」
「お話、聞かせてっ!」
住人たちの子供が服に裾を掴んで囲み騒ぎたてる。
「今は忙しい。後にしろ」
いつも言っている事だ。
同じようにまた嫌だと言ってくるだろう――と予想していた。
子供たちは動きを止めて楽しげだった表情は、怯えきっていた。
「どうした?」
子供に視線を屈んで合わせ顔を覗き込んだ。
「ご、御免なさいっ!」
服の裾を離し、子供たちは逃げるように去っていく。
その後ろ姿を見送る。
「何、どうしたの?」
井戸端会議をしていた母親の背中に抱きつく子供。
母親は不審に思い顔を覗くと、真っ青で奥歯はがくがくと揺れていた。
「こ、怖い、だぁれ?あのひと……」
子供のいた方向を見ると、渡り廊下を歩く黒の美人の姿が目に止まる。
「なんて事を言うの、あのお方じゃないの」
「違う、あのお方はあんな目してないっ!もっと優しい。あのひとは違うっ!」
「もう……。良いから遊んでおいで。母さんは仕事があるの」




