痛い
(なんて馬鹿力なのさっ!見える、見えてるしっ!)
子供の真っ直ぐさと好奇心を持つ性格なのは小柄な青年もよく知っている。
男として見られていないことも理解している。
火照り共に性欲に侵食された視界や思考は、裸体をどうしても追って想像する。
あれはどういう感触なのか、柔らかそう。
「世話の焼けるっ!」
小柄な青年の様子を見かねた深紅の青年は強めに言った。
「服お願いします。それは女性でしょう、目のやり場に困ります」
「面倒な事ことだ」
白い長髪の一本抜く。
「纏え」
静かに呟くと、くるりと裸体を囲む。
すると、半透明な振袖と袴が裸体を包み初めて行く。
そして、次第に半透明ではなくなり裸体ではなく白い振袖と袴がその身を包んでいた。
「それで先ほどの言葉はどういう事柄に使う――」
「先に我の話を聞くのが先だ」
背後から漆黒の美人が逃げないように両肩をがっちりと掴むと、満弁な微笑を浮かべてとても優しい声色で漆黒の美人は言った。
背筋に悪寒が雷のように走った。
この気配には覚えがある。
「いやぁ……。ま、待て話をしよう……」
小柄な青年に見せた興奮状態で頬の紅潮はなくなり一気に顔色は青ざめた。
弱弱しい声で漆黒の美人に怒りを宥める。
降参を示すように両手を肩の上にあげる。
「丁度良いではないか。我もそなたに山のように話があるのだ」
山のように話があるという部分を強調し、両肩を掴んでいる漆黒の美人の掌は爪を白い肩に抓る。
「痛い、痛いぞ。跡が残るではないか」




