見たもの
さらりと竜巻の余韻で揺れえる毛先が床に着くまでの白い長髪。
長めの前髪の下から見える双眸は、雪が溶けたように薄い青が混ざった白。
そして、顔立ちや体格は漆黒の美人と瓜二つ。
その様は、髪と双眸の色合いが違うだけの双子だ。
幼子のように頬を膨らませて怒りを見せた。
「早く、早くっ!」
顔の火照りが少しだけ静まった所で小柄な青年は、片手の掌で顔を隠して悲鳴あげるように叫んだ。
「お願いします……」
その声に深紅の青年は正気を取り戻して顔を背けた。
「せっかちな奴だ。損気は短気という言葉を知らんのか」
「貴様の裸など見ている趣味など、我にもあやつらにもない」
はっきりと漆黒の美人が言葉にした事で二人の青年はまた顔が火照りを感じ始めた。
余韻がなくなった今は長髪で大部分が隠れている裸体。
一時的ははっきりと見えた。
二人の青年は、見てしまった。
深紅の青年は後ろを。
小柄な青年は前を。
「初心な反応をする歳でもないだろうに。経験を積み重ね早く子孫を私に見せぬかっ!」
二人の会話で経験や子孫などの言葉で裸体が思い出せる。
「露出狂、痴漢っ!」
小柄な青年は頬を赤らめて思いのたけを込めて呟く。
「それは聞いたことがないぞ、どういうだ――」
好奇心できらきらと目を輝かせて小柄な青年の両肩を掴んで振り向かせる。
「こ、こっち来ないでっ!ふ、服っ!」
視界を遮っていた掌も解かれ、毛先が揺れる度に鼓動が高鳴り顔がまた火照り始める。
両肩を掴んでいる掌を振り解こうとするが細腕だが、力は二人の青年を合わせたものより強い。




