強制連行2
対峙する深紅の青年を見ると、静かに頷く。
そして、小柄な青年と深紅の青年は掌を陣にかざす。
陣は、呼応するようにぼんやりとした淡い輝きを見せた。
「――求むモノは、白い影半神」
「ここに姿を」
呼吸するように二人の青年は間を空けずに静かな声で言った。
陣は、ぼんやりとした輝きから強い煌めきに変化し、煌めきを纏った竜巻となって立ち昇る。
中心部だけの竜巻だったが、回転を早めて陣の円を埋め尽くした。
小柄な青年は、髪を乱しながらその様を見つめる。
深紅の青年は陣から離れて、風圧から漆黒の美人を守るため前に立つ。
「我は軟弱ではないぞ」
乱れた前髪を掌で押さえつけ漆黒の美人は、目の前にいる深紅の青年を軽く睨み付けた。
「勝手にいるだけです。偶然の産物、結果です」
深紅の青年を押し退けて前に出ようとした漆黒の美人を腕で背後へと押し込み笑顔で言う。
(いつからこんな威圧感の笑みを……っ!)
笑顔なんだが、なんだか、怖い。
漆黒の美人は身体を硬直させ深紅の青年の後ろに下がった。
そして、竜巻は風圧と煌めきを鎮めていき中心部
だけに縮小し、溶けるように消えていくのと同時に人影が見えていく。
「帰る姿が見える距離で強制をやるものか?常識が足らんぞ」
聞きなれた声が聞こえペタンと足音が聞こえると、二人の青年は目点にし赤面した。
「……。貴様がそれを言うのか」
深紅の青年の背後から漆黒の美人前へと出て呆れた表情をして見せてため息を漏らした。
「飛ばれたのだ。お気に入りの一着だと言うのに」




