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二つの神  作者: Innocent
黒の日常
14/40

そのためにいる

 捻くれた性格をしていると小柄な青年は、深紅の青年を再認識させられた。

 握った深紅の青年の掌を力の限り握り小柄な青年は仕返しをする。


 「わが主よ、私たちは、貴方のためならこの命を捧げて、あなたとひとつになりたい!」


「ーーだから、こちらに来てほしい。そちらではなく、私たちの主に!」


 支柱の外側から聞こえた声は失望感に満ちていた。

 二人の青年は言語が理解できないようで気も留めない。


 「後々、土地をやろう」


 変換する魔術を発動して、美人はそう言った。

 湖に鉄が沈んでいくような感覚が冷たく胸に受け止めた時、更に冷たさを増した。


 「行きましょうか」

 「どうするの、あれ?」


 二人の青年は、並びゆっくりと美人へと歩きながら小声で言う。

 小柄の青年はとぼける深紅の青年に苛立ち、眉間に皺を寄せた。


 「あれとは、何でしょう?」

 「とぼけないで、腹立つ。新入りさんたちに相当嫌われた」


  小柄な青年は人々の攻撃的な視線を視線で指す。


 「我らは守れればいいでしょう。こんな事どうでもいい」


 深紅の青年は両肩をあげ、くすりと冷笑する。


 「それだけの為に生かせている」

 「そうだけど…暗い顔、させてどうするって聞いてるの?」


 その様子を美人は無表情を崩してはいないが、二人から見れば不安だと出ていた。


 「あのお方が帰って来たようですから平気でしょう」


 深紅の青年は暗闇を指で指す。

 その方向には、暗闇を龍ではなく輪郭がはっきりとした淡く光る白い人影。

 こちらの方向に歩いて来るのが見えた。

 それが出来るのはただ一人。


 「あ……ホントだ。どこで何してたんだか」


 小柄な青年は、その人影を出迎えるために居城へと駆けて行く。

 その様子は、飼い主を待っていた忠犬を連想させ深紅の青年は、口元を掌で覆い隠し小さく笑う。

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