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二つの神  作者: Innocent
黒の日常
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愚かを繰り返す

 列の大半は迫害され逃亡して来た一族と少数の商人だ。

 違いは一目瞭然だ。


 商人は、衣服が白一色で統一されており荷物が大量。


 迫害され逃亡した一族は、汚れた衣服と焔のような暗い双眸をし常に怯えているのだ。


 迫害され滅亡まで追い込まれた者たちの最後の砦とされ遥か昔から受け入れて来た。

 商人たちには、中継地点として利用されるようになったのはほんの数年という時間だ。


 特殊な立地条件にあるためだ。

 星龍と呼ばれる界と界を移動できる龍が一時、立ち寄る唯一の場所。


 衣食住が得る事ができる大地と見守ってくれる神。

 大地のある空間が狭間という龍以外の侵入を拒むので、最大の防御壁となっている。


 狭間は界の均衡を保つ為に全能の神が敷いたとされる果てしない暗闇の空間で、生死という感覚で消滅ではなく、存在そのものを破壊する。


 星龍に乗れる者もそうはいない。

 乗る者星龍の問いかけに正しく答えなければならない。

 乗っても資格を失えば狭間に落とされ存在ごと破壊される。

 命がけの界の旅をし、彼らはここに辿り付く。


(こちらも増えているな)


 木々を挟んだ少し奥の中庭には龍が霧のように飛散し、背に乗せ者を強制的に降ろしている姿も見られた。

 “こちら”は訳あり――生け贄や殺人の被害者などで他者に命を奪われた者たちだ。


 魂はエネルギーの塊で消費しながら生物は生きるという活動を行う。


 殺害された者には大抵エネルギーがあり過ぎる為、死んでも輪廻の輪に乗り転生が出来ないのだ。


 正しく転生を行うため、死んだ身体を再構築し魂を入れ直しエネルギーを完全に燃焼させ輪廻の輪へと送り出す。

 その流れのために星龍が運んで来る。


 「愚かな事を繰り返すものだ」


 愚かな事というのは殺戮や迫害に対しての嫌悪感から来たものだ。

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