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風の匂い
どこまでも続く海を流れていく風
「どこまでゆくの?」と問えば
「どこまでも」と答える風は私に新しい匂いを運んでくれる
世界を旅する気楽な風が運ぶのは
味わったことのない新鮮な始まりの匂い
いつまでも続く空を流れていく風
「いつまでゆくの?」と問えば
「いつまでも」と答える風は私に懐かしい匂いを運んでくれる
世界を旅する気長な風が運ぶのは
味わったことのある親しみある終わりの匂い
すべてのことは繋がっていて始まりと終わりは同じことや
すべてのものは永遠にずっと
始まりと終わりを繰り返していることを風は教えてくれた
世界を旅する輝く風は
空間や時間という概念さえも簡単に吹き飛ばして
「世界を旅するきらめく風に君もなってみないか?」と悪戯に笑う
微かな始まりの匂い 静かな終わりの匂い




