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幻奏楽団キリギリス  作者: 語部 もどき
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星降る夜

「今夜は流星群の夜です」

いつもは耳も貸さないニュースがふと気になった

日付けが変わる頃僕は夜空を見つめ待ち続けた


いつからだろう 涙が僕の頬を伝わなくなったのは

それは強くなったからではないことを僕は知っている

けれどなぜそうなってしまったのかを僕は知らない


その時夜空を切り裂くような一閃の魂を感じた


流星よ もしも願いが叶うなら僕に涙を思い出させてくれないか

流星よ もしも願いが叶うなら僕の心の扉を開いてくれないか

その時僕の頬に星が一筋流れた



何年ぶりだろう 夜空を見上げたのは

毎日何かに追われ何に追われているのかも分からない

僕はどこを向き生きているのかも分からなかった


いつからだろう 僕の心は自分しか見えなくなってしまった

それは自分がいけないのだと僕はずっと思っていた

けれどそんな僕に光は誰のせいでもないのだと微笑んだ


その時夜空に儚げに零れ落ちる一粒の宝石を見つけた


流星よ もしも願いが叶うなら僕に優しさを教えてくれないか

流星よ もしも願いが叶うなら僕に踏み出す勇気をくれないか

その時僕の胸に星の輝きが灯った



痛みを知り温もりを知り僕はいつしか大人になった そして今

僕はまたあの日と同じ場所同じ時間に夜空を見上げている

その時夜空を力強く駆け抜ける一つの星を見つけた


流星よ もしも願いが叶うなら僕に語りかけてくれないか

流星よ もしも願いが叶うなら僕はあの日から変われただろうか


流星よ もしも願いが叶うなら僕の歌を届けてくれないか

流星よ もしも願いが叶うなら僕の思いを受け止めてくれないか

その時僕は星の光に包まれた気がした

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